エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2018年12月2日 21:12 JST

フルフラットのペアシート　特集・ANA A380のシート（ビジネスクラス編）

共有する:

　全日本空輸（ANA/NH）が2019年5月24日から成田－ホノルル線に投入する、総2階建ての超大型機エアバスA380型機。当初は週3往復で、2号機を投入する7月1日から週10往復に拡大する。座席数は4クラス520席で、目玉は日本の航空会社初となる、ベッドのように使えるエコノミークラスのカウチシート「ANA COUCHii」と、カップルが隣同士で座れるペアシートを設けるビジネスクラスだ。

ANAのA380ビジネスクラスのシート＝18年11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
・2階席に上級クラス
・大型間仕切りも

2階席に上級クラス

　ANAが3機導入するA380は、「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU（フライング・ホヌ）」と名付けられ、全機がハワイをイメージした特別塗装。初号機が青（ANAブルー）、2号機が深緑（エメラルドグリーン）、3号機がオレンジ（サンセットオレンジ）と、すべて色が異なる。

ANAのA380ビジネスクラスのシートに座る綾瀬はるかさん＝18年11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA380シートマップ（同社提供）

　4クラス520席の内訳は、アッパーデッキ（2階席）にANAのホノルル線では初のファーストクラスが8席、全席通路アクセス可能なフルフラットシートのビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席。メインデッキ（1階席）は全席エコノミーで383席となり、後方6列60席はカウチシートとして、家族旅行などの需要を狙う。

　シートメーカーは、ファーストが日本のジャムコ（7408）、ビジネスがゾディアック・シート・フランス（旧シクマ）、プレミアムエコノミーとエコノミー、カウチが独ZIM。ANAによると、ジャムコが同社のファーストクラスを全体的に手掛けるのは初めてで、ZIMは初採用だという。

　一方、ビジネスのゾディアック・シート・フランスは、ボーイング787型機など、これまでもANAで採用実績があるメーカーだ。

大型間仕切りも

　ビジネスクラスは、配列が1-2-1席配列で全席が通路へアクセスできるスタッガードシート。中央列は、隣り合わせに座れるペアシートも用意し、新婚旅行などで隣同士で座りたいニーズに応える。

ANAのA380のビジネスクラスシートの仕切り＝18年11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA380のビジネスクラスシートの間仕切り＝18年11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　しかし、ペアシートは必ずしも隣に知り合いが座るとは限らず、見ず知らずの人同士が並ぶ場合もある。席と席の間にあるディバイダー（仕切り）は、高さを乗客の顔の高さに合わせた。ビジネスクラスのディバイダーは背もたれと同程度の高さであることが多いが、顔を隠すには高さが足りないことから、従来よりも高めにしたという。

　1席あたりの電源は、コンセントが1つとUSB端子が2つ。ANAによると、USB端子はMacBook ProやiPad Proなどで採用が進むType-Cも検討したが、既存のType-Aを選んだという。

　個人用画面は、18インチのタッチパネルモニター。大型の引き出し式テーブルやサイドテーブルは、787-9のシートと同様、明るい木目調のものが採用された。

＊写真は12枚。
＊カウチシートの特集はこちら。
＊ファーストクラスの特集はこちら。