エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2018年12月1日 16:50 JST

綾瀬はるか「奥行きあり、くつろげそう」特集・ANA A380のシート（カウチ・エコノミー編）

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　全日本空輸（ANA/NH）が2019年5月24日から成田－ホノルル線に投入する、総2階建ての超大型機エアバスA380型機。当初は週3往復で、2号機を投入する7月1日から週10往復に拡大する。座席数は4クラス520席で、出張でためたマイルを特典航空券に交換し、家族で使ってもらうといった形での顧客満足度向上にもつなげる。

ANAのA380カウチシートに横になる綾瀬はるかさん＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
・シートは新メーカー採用も
・目玉はカウチシート

新シートメーカー採用も

　3機導入するANAのA380は、「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU（フライング・ホヌ）」と名付け、全機が特別塗装。ハワイの空と海、夕陽をイメージし、青（ANAブルー）と深緑（エメラルドグリーン）、オレンジ（サンセットオレンジ）と、1機ごとに色が異なるデザインが採用された。また、壁紙や照明もハワイをイメージしたものにした。

4クラス520席となるANAのA380就航発表会に出席する綾瀬はるかさん＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初号機が青（手前）、2号機が深緑、3号機がオレンジと異なるカラーリングをまとうA380の模型を紹介するANAの客室乗務員＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　4クラス520席の内訳は、アッパーデッキ（2階席）にANAのホノルル線では初のファーストクラスが8席、全席通路アクセス可能なフルフラットシートのビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席。メインデッキ（1階席）は全席エコノミーで383席となり、後方6列60席は日本の航空会社初となる、ベッドのように使えるカウチシート「ANA COUCHii」を設ける。

　ファーストからエコノミーまでの全クラスに、バーカウンターを設置。ドリンクや軽食を自由に楽しめる。また、メインデッキ後方には多目的ルームを設置し、シンクや着替え台、おむつ交換台などを備え、家族連れが授乳やおむつ交換などを気兼ねなくできるようにする。

　シートメーカーは、ファーストが日本のジャムコ（7408）、ビジネスがゾディアック・シート・フランス、プレミアムエコノミーとエコノミー、カウチが独ZIM。ANAのシート担当者によると、ジャムコがANAのファーストクラスを全体的に手掛けるのは初めてで、ZIMは初採用だという。

　新しいメーカーを採用するなど、各サービスでこれまでとは違ったアプローチを試してみたという。

目玉はカウチシート

　ANAのA380で革新的な取り組みの一つが、エコノミークラスのカウチシートだ。また、プレミアム・エコノミーも含め、エコノミー全体のシートをZIMが手掛ける。

ANAの客室乗務員が手にするA380カウチシートの乗客に貸し出される寝具に目をやる綾瀬はるかさん＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAのA380のカウチシート＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　プレミアムエコノミーは2-3-2席配列で、シートピッチは38インチ。エコノミーは3-4-3配列で34インチ、カウチシートは32インチに設定する。各クラスにパソコン用電源と充電用USB端子を装備する。

　かつてのビジネスクラスのようになりつつあるプレミアムエコノミーは、個人用モニターにANAのプレエコでは最大となる15.6インチのタッチパネルモニターを採用。また、フライング・ホヌをデザインした生活防水素材のエコバッグをプレゼントする。

　目玉のカウチシートは、ニュージーランド航空（ANZ/NZ）が世界で初めて採用したもので、ANAによると同社が特許などの権利を有しているという。一般的にシート開発では、シートメーカーやデザイン専業メーカーが特許を持っていることが多いが、ニュージーランド航空は自らのノウハウを生かしたビジネスも手掛けており、ANAも協力を仰いだという。

　カウチシートは隣接する席のレッグレストを上げ、3席または中央4席をベッドのように使える。子供連れの利用客を想定し、専用寝具としてシーツマットと枕、毛布を用意。通常のエコノミー運賃に、追加料金を支払うと利用できる。

　都内で11月27日に開かれた発表会で、カウチシートに横になった女優の綾瀬はるかさんは、「奥行きがあって、くつろげそう」と、体験した感想を話した。

＊写真は14枚。
＊ビジネスクラスの特集はこちら。
＊ファーストクラスの特集はこちら。