ANAホールディングス(ANAHD、9202)などANAグループは11月26日、ミャンマーから受け入れた空港グランドハンドリング(グラハン)業務の研修生の歓送迎セレモニーを成田市内で開いた。2015年11月に来日した1期生15人が、3年間の研修を終えて28日に帰国することから、ANAHDの篠辺修副会長やトゥレイン・タン・ジン駐日ミャンマー大使らが研修生の門出を祝った。また、25日に来日したばかりの3期生11人を出迎えた。
全日本空輸(ANA/NH)は、成田-ヤンゴン線を2012年10月15日に週3往復で開設し、2013年9月30日から週7往復(デイリー)化。日本とミャンマーを結ぶ唯一の直行便となっている。
ヤンゴン就航を契機に、同社とミャンマー運輸・通信省航空局は、2015年11月に「グランドハンドリング人材育成強化に関する覚書」を締結。成田空港のグループ会社ANA成田エアポートサービスが、当時20代後半から30代前半だった研修生を「HARP 航空人財育成プログラム」として受け入れた。
プログラム開始時点では1年間の予定だったが、「エントリー」「ベーシック」「アドバンスド」と、1年ごとに学ぶ内容をレベルアップしていった。
ANAHDの篠辺副会長は、「人手不足解消のためではなく、人材育成のお手伝い。ミャンマーの航空業界発展に貢献してくれることを期待するとともに、ミャンマーでANAファンが増えて欲しい。(研修生に教える)インストラクターも勉強になった」と語った。
研修生は駐機場でのランプハンドリングや貨物ハンドリング、受託手荷物のハンドリングなどを学んだ。研修現場では、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの「5S」や「カイゼン」など業務改善活動も行い、研修生がインストラクターに改善提案することもあった。
1期生のソウ・モウ・アウンさんは、「ヤンゴンに就航していない機材を学べた。リポートとディスカッションで知識を研修生で共有したが、運転免許の取得が厳しくて大変だった。また、女性が(グラハンの現場で)働いていて驚いた。3年間学んだことを、ミャンマーの発展に生かしたい」と抱負を述べた。
成田では、2016年11月に来日した2期生12人も、グラハン業務の研修に励んでおり、今回の3期生では初めて女性も受け入れる。篠辺副会長は、整備など他分野での受け入れについて、「先方のニーズがあれば協力したい」と語った。
関連リンク
ANAホールディングス
ANA成田エアポートサービス
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