ANAホールディングス(ANAHD、9202)は11月21日、過疎地域での荷物などの配送にドローンを活用する輸送検証を、福岡県の玄界島で公開した。検証期間は20日から22日までの3日間で、ソニー(6758)などが出資するエアロセンス(東京・文京区)、福岡市と共同で実施した。福岡市西区の唐泊港と玄界島の間をドローンが往復し、軽量の荷物や海産物などを運んだ。
配送実証実験で玄界島に着陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
今回の検証は無人地帯での目視外飛行で、玄界島でのドローン物流の実現性や課題の洗い出し、費用対効果、CO2(二酸化炭素)の削減効果を検証した。
21日は、唐泊港から玄界島へドローンで封筒と医薬品を運び、着陸後は玄界島産のワカメに搭載品を積み換えて唐泊港へ運んだ。海上の船から飛行状態を監視する補助者をつけ、高度70メートルで飛行。片道約5キロメートルを約9分間で飛んだ。
今回使用したドローンは、エアロセンスの完全自律飛行型「AS-MC03-T(BOX)」。自動航行やマニュアル飛行が可能で、離着陸を含めた完全自律飛行を実現している。搭載ボックスは発泡スチロール製で、外側に強化プラスチックを塗布してあり、1キロの荷物を搭載可能で、最大20分間飛べる。
実証実験を行った玄界島は人口が約450人で、離島振興法による離島振興対策実施地域に指定されている。ANAHDでは今後、離島や山間部などで検証を繰り返し、2020年以降の事業化を目指すという。
一方、有人地域での目視外飛行による検証も今後行い、飛行ルールやシステムを構築し、将来の都市部での事業化に向け、検証を継続する。
玄界島での配送実証実験で使用したドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
ドローン配送実証実験のスタート地点となった唐泊港=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で使うドローンを操縦するオペレーター=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で使うドローンのコントローラー=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島に着陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島に着陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島に着陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島に着陸したドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
ドローンによる配送実証実験で玄界島に到着した搭載品を降ろすANAのスタッフ=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
ドローンによる配送実証実験で玄界島に到着した搭載品を降ろしたANAのスタッフ=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
ドローンによる配送実証実験で玄界島に到着した搭載品を島民に手渡すANAのスタッフ=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
ドローンによる配送実証実験でワカメを積み込むANAのスタッフ=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験でワカメを積み込んだ箱をドローンに固定するANAのスタッフ=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島を離陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
配送実証実験で玄界島を離陸するドローン=18年11月21日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire
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