南太平洋・仏領ポリネシアのエア タヒチ ヌイ(THT/TN)は11月15日、ボーイング787-9型機を2019年2月から、週2往復のパペーテ-成田線に投入する意向を示した。現在のエアバスA340-300型機から、機材を更新する。また、787-9導入による新路線は、現地のホテル増室後に計画する。
—記事の概要—
・A340、19年11月退役
・ホテル足りないポリネシア
・日本就航20周年
A340、19年11月退役
同社は787-9(3クラス294席:ビジネス30席、プレミアムエコノミー32席、エコノミー232席)を4機導入する計画で、初号機は10月に受領。成田線に投入するのは2019年1月に受領予定の2号機で、現地時間2月4日から3月22日までのパペーテ発で運航する。4月と5月は、現在運航するA340-300(2クラス296席:ビジネス32席、エコノミー264席)に戻し、6月7日以降は787-9を再投入する。
A340-300は現在、5機保有。基本的には4機を定期便に投入し、1機を予備機としてチャーター便などに活用している。同社の千野淳・日本支社長によると、787-9の受領後に順次退役し、787完納後の2019年11月に、A340はすべて退役する計画だという。
ホテル足りないポリネシア
航続距離が長い787-9を導入したことによる路線計画について、同社のコマーシャル・アンド・マーケティング部門のクリストファー・コレンケSVP(シニア・バイスプレジデント)は、現段階では計画がないと明らかにした。コレンケSVPは「ポリネシアには、ホテルが足りてない」と述べ、ポリネシア政府がホテル増設を計画する2021年以降に、新路線を検討する意向を示した。
コレンケSVPによると、ポリネシアには現在、ホテルは2800室あるという。客室数が需要を下回っていることから、「ホテルの奪い合い」(コレンケSVP)が起きているとした。ポリネシア政府は2021年から2022年をめどに、1500室の増室を計画。予定どおりに進んだ場合、部屋数は4300室となる見込みだという。
同社では、増室までは自社運航便での新路線は計画せず、他社運航便へのコードシェア(共同運航)などにより、就航地を拡大する。
今年7月には、南太平洋のフィジー・エアウェイズ(FJI/FJ)がナンディ-成田線を9年4カ月ぶりに再就航した。同地域の航空会社の乗り入れによる旅客の奪い合いについて、コレンケSVPは「タヒチへの旅客が減ったとは思っていない」と述べ、ホテルの客室数が少ないことが問題、との認識を示した。
日本就航20周年
エア タヒチ ヌイは1996年に設立。1998年11月22日に成田へ就航し、今年で日本就航20周年を迎える。拠点となるパペーテから、現在は成田線のほか、オークランド(ニュージーランド)線、ロサンゼルス線を直行便で運航し、パリへはロサンゼルス経由で乗り入れている。
現在は、同社が運航するパペーテ-成田線に、日本航空(JAL/JL、9201)がコードシェアを実施。10月28日から始まった冬ダイヤでは、日本航空が運航する国内線のうち、成田-伊丹、中部線と、羽田-福岡、札幌線の4路線に、エア タヒチ ヌイの便名を付与している。
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