インドネシアのLCC大手ライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(ボーイング737 MAX 8、登録番号PK-LQP)が現地時間10月29日に墜落したことを受け、FAA(米国連邦航空局)は同11月7日、737 MAX 8と9に対して機体の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を発行した。
ボーイングによると、事故機が機体の姿勢制御時に、翼と対向する空気の流れの角度「迎角」を検出する「AOAセンサー(Angle of Attack sensor)」から入力される値に誤りがあったという。
ボーイングでは、AOAセンサーから誤った値が入力された場合に対処するため、パイロットの飛行手順を改訂する「OMB(オペレーション・マニュアル・ブリテン)」を6日に発行した。
FAAによると、AOAセンサーから情報が誤入力された場合、パイロットが操縦不能になり、過度に機首が下がることによる高度の損失などが生じるという。ADの対象は737 MAX 8と9で、特定条件下で制御が効かなくなるエレベーター(昇降舵)トリムの操作手順に関する対応策を講じるため、AFM(エアプレーン・フライトマニュアル)と操作手順を、AD発行から30日以内に改訂する必要があるとしている。
737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備える。ライオン・エアを擁するライオングループは737 MAX 8のほか、長胴型の737 MAX 9や胴体長が最長となる737 MAX 10を多数発注している。
737 MAXの墜落事故は、今回が初めて。日本で同型機を発注した航空会社はまだない。インドネシア当局やFAA、NTSB(米国家運輸安全委員会)などでは、詳しい事故原因を調べている。
関連リンク
Lion Air
Boeing
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10月29日に発生
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737 MAX
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