かつて日本航空(JAL/JL、9201)の100%子会社として、地方路線を中心に担ってきたジャルエクスプレス(JEX/JC)のロゴが描かれたボーイング737-800型機(登録番号JA344J)が11月5日、羽田発那覇行きJL923便を最後に姿を消した。会社は2014年9月30日をもって設立以来17年の歴史に幕を下ろしJALに統合されたが、再塗装するスケジュールの関係で約4年1カ月の間、JEX塗装の737が飛び続けた。
JEXは1998年7月に、2機のボーイング737-400型機で伊丹-鹿児島線、宮崎線から運航を開始。客室乗務員を「スカイキャスト」と呼んでいた。
機内清掃もスカイキャストがこなすなど、今で言うLCC(低コスト航空会社)の考え方が取り入れられ、空港到着から25分で折り返すことで多頻度運航を実現した。小回りの利かないJALでは実現できないサービスを具現化しようと、目前の課題に社員たちが自ら動いて解決していく社風が特徴だった。
JALが現行の「鶴丸塗装」を導入したのは、2011年4月。鶴丸でのJEX塗装は34機で、すべて737-800だった。最後まで残ったJA344J(2クラス165席)は2012年6月4日に製造された機体で、同月20日にJALへ引き渡された。鶴丸導入後の機体のため、当初から鶴丸とJEXロゴを組み合わせた塗装だった。
JEX塗装での運航最終日となった5日は、国内線5便に投入。羽田を午前6時57分に出発した女満別行きJL565便からスタートし、女満別からJL562便として羽田へ戻り、山口宇部行きJL293便として午後0時15分に羽田を出発した。最後の羽田行きは山口宇部発JL294便で、午後4時14分に10番スポット(駐機場)へ到着した。最終便は那覇行きJL923便で、乗客124人(幼児1人含む)を乗せて羽田を午後5時7分に出発し、那覇には午後7時49分に到着してJEX塗装での運航を終えた。
JA344Jは、沖縄を拠点とするJALグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の格納庫でJALロゴに再塗装を実施。17日の復帰を予定している。
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