仙台空港で、航空会社名や行先、出発時刻などを案内していた反転フラップ式案内表示機、通称“パタパタ”が、夏ダイヤ最終日となった10月27日で引退し、21年の歴史に幕を下ろした。冬ダイヤが始まる28日からは、多言語の新発着案内システムに移行する。
仙台空港の反転フラップ式案内表示機は、現在の旅客ターミナルがオープンした1997年から使用。2階出発階の保安検査場入口上の壁面などに設置し、初代を引退まで21年間使い続けた。
“パタパタ”は、直近の出発を案内する最上段の便が出発するたび、下段に向けてパタパタと音をたてて切り替わる仕組み。左から航空会社名、便名、行き先、時刻、搭乗口などを表記し、上から下に順次切り替わる。国内線は10行、国際線は5行表示する。
国内線でパタパタと切り替わる際には、2014年まで運航していたジャルエクスプレス(JEX/JC:日本航空に統合)の旧ロゴのほか、広島西など過去の就航地の表示も見られた。
27日の出発最終便となった、エア・ドゥ(ADO/HD)の午後8時45分発札幌行きHD111便の案内を最後に、役目を終えた。同便の出発後、すべての表示が消え、真っ黒な状態になった。国際線は、アシアナ航空(AAR/OZ)の午後6時40分発ソウル(仁川)行きOZ151便の案内が最後となった。
1日の運航を終了する午後8時台には、“最後の勇姿”をスマートフォンなどで撮影する航空ファンの姿が見られた。名古屋から来た男性客は、動画で撮影。名古屋への出発前に、名残惜しそうに再生していた。
空港を運営する仙台国際空港会社によると、“パタパタ”は当面、全表示が消えた状態で残すという。
28日からは、館内34カ所にデジタルサイネージを設置し、発着案内のほかに空港内の案内図や搭乗口の変更情報などを4言語で表示する。仙台空港では同日から、新旅客搭乗施設「ピア棟」の供用を開始。これに合わせて新発着案内システムに移行する。
反転フラップ式案内表示機は、開発した伊ソラリー社の社名から「ソラリー式」、表示がパタパタと音を立てて変わることから「パタパタ式」などとも呼ばれ、空港や駅などの発着案内や時計などに使われてきた。
しかし、空港では訪日外国人の増加や維持管理の関係で、近年は液晶パネルなどを使ったデジタル式への移行が全国的に進んでおり、施設リニューアルが進む伊丹空港や福岡空港、地方では札幌の丘珠空港などで姿を消しつつある。
*写真は10枚。
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