ブラジルのエンブラエルが開発した最新型機E190-E2の飛行試験機(登録番号PR-ZGQ)が10月13日、伊丹空港へ初飛来した。
*伊丹から羽田へ初飛来。記事はこちら。
機首にはサメが描かれた特徴的な外観で、伊丹の空の日イベント「エアポートフェスティバル」に参加。12日夜に台北から関西空港へ到着したのが、日本への初飛来となった。航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」(flightradar24.com)によると、13日は関空を午前11時4分すぎに離陸し、伊丹には午前11時39分すぎに着陸した。その後は、日本航空(JAL/JL、9201)の格納庫近くの駐機場に到着した。
E190-E2は、3機種で構成する次世代リージョナルジェット機「E2シリーズ」のうち、最初に実用化した機体で、今年4月から納入を始めた。従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機で、E175-E2とE190-E2、E195-E2からなる。新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。
メーカー標準の座席数は、E190-E2が1クラス106席、2クラス97席。2019年から顧客への引き渡しを計画しているE195-E2が1クラス146席、2クラス120席、2021年に引き渡しを始める予定のE175-E2は1クラス88席、2クラス80席となる。E195-E2はE195より座席を3列、E175-E2はE175より1列増やした。
低燃費や低騒音など、E2シリーズは三菱航空機が開発を進めているリージョナルジェット機「MRJ」にとって最大のライバルになる。
日本の航空会社でE2シリーズの採用を決定した航空会社はないが、Eジェットは日本航空(JAL/JL、9201)グループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)や、鈴与グループのフジドリームエアラインズ(FDA/JH)が採用している。
今回飛来する機体は、7月にロンドン近郊で開かれた世界最大規模の航空ショー「ファンボロー航空ショー」に出展された機体で、機首にサメを描いている。エンブラエルは、E2シリーズのキャッチフレーズとして「プロフィット・ハンター」を掲げており、昨年のパリに出展したE195-E2(PR-ZIJ)の機首にはイヌワシ、今年3月開催のシンガポール航空ショーに出展したE190-E2(PR-ZFU)にはトラを描いていた。
エンブラエルは同機のワールドツアーの一環で伊丹に飛来した。
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Embraer
大阪国際空港(伊丹空港)
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