中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は10月11日、翌12日にオープンするボーイング787型機を展示する複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」の開業記念式典を、同施設で開いた。セレモニーには国土交通省などの関係者のほか、米シアトルからの来賓など、約300人が参加した。
Flight of Dreamsは、787-8の飛行試験初号機「ZA001」(登録番号N787BA)を中心に、9種類の体験型コンテンツを提供する有料の展示エリアと、飲食や物販などの16店舗が入居する、無料の商業エリアで構成。米国外では初となるボーイングストアを常設するほか、商業エリアでは、ボーイングの創業地・米シアトルの街並みを再現する。
式典で、中部国際空港会社の友添雅直社長は「いよいよこの日が来た」と述べ、期待感を表現。「国内外問わず多くの方に来ていただいて、ボーイングとシアトルの素晴らしさを体験してもらいたい」と語る一方で、「これからの道のりのほうが、ハードルが高い」と気を引き締めた。
今後、愛知県が建設するコンベンションセンターのほか、2019年度上期には、中部国際空港会社が整備を進めているLCC用の新ターミナルビルが相次いで開業を予定。Flight of Dreamsは、両施設の中間に位置する。
友添社長は「(現在の)メインターミナルを含め、4つの施設が空中回廊でつながる。Flight of Dreamsは、集客のマグネットのような役割を果たす」と述べ、2019年度以降の年間来場者目標300万人達成に向け、意気込みを語った。
787は機体の構造部位のうち、主翼など35%を日本企業が中部地域で製造している。ボーイング・ジャパンのブレット・ゲリー社長は、ボーイングと日本との関係性を強調。「子どもたちにたくさん来場してもらいたい」と述べ、航空産業の次世代につなげたい考えを示した。
式典には、展示エリアの体験型コンテンツにスポンサーとして参画する各企業からも参加。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)からは篠辺修副会長が、日本航空(JAL/JL、9201)からは大川順子副会長が出席した。
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Flight of Dreams
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