仙台空港を運営する仙台国際空港会社は10月9日、新旅客搭乗施設「ピア棟」を冬ダイヤが始まる28日から供用開始すると発表した。
朝夕も増便対応
2017年9月1日に着工したピア棟は、既存ターミナル西側に増築する形で整備。当初計画では平屋だったが、機体を牽引するトーイングカーなど、グランドハンドリング(地上支援)車両が建物の下を通過できるように変更し、徒歩ゲート部分を2階建て、バスラウンジ部分を3階建てにした。
建築面積は3061.72平方メートル、延床面積は5949.07平方メートルで、工事費は約20億円。搭乗ゲートは5カ所で、徒歩ゲートが3カ所、バスゲートが2カ所となり、待合スペースや事務室なども備える。設計は日建設計で、施工は空港会社に出資する前田建設工業(1824)の東北支店が担当した。
仙台空港の搭乗ゲート数は現在、国内線用が5カ所、国内国際共用が1カ所、国際線用が3カ所の計9カ所。ピア棟の開業で、国内線用徒歩ゲートが3カ所とバスゲートが1カ所の計4カ所増え、合わせて13カ所になる。
共用ゲートは現在、国内線用として運用していることから、国内線用は現在の6カ所から10カ所に増える。朝や夕方など発着便が集中する時間帯でも、新規就航や増便が可能になる。
ピア棟の搭乗ゲートと駐機場の間には、伸縮式の屋根付き通路「エプロンルーフ」を設置。雨でもぬれずに搭乗できるようにする。
LCC以外も利用
仙台空港会社では、低コストな構造や運用コストを念頭にピア棟を建設したが、LCC専用ターミナルにはしなかった。同社の岩井卓也社長によると、「仙台空港の規模では、悪天候や機材故障が発生した場合、すべての航空会社がすべての搭乗口を使える方が良い」と、柔軟な運用が可能になるようにしたという。
仙台空港は、2016年7月1日に国管理空港として初めて民営化された。2017年度の旅客数は、過去最高となる前年度比8.7%増の343万8630人で、2006年度以来11年ぶりに記録を更新。国内線が7.5%増の315万8243人、国際線が24.3%増の28万387人だった。
今回のピア棟建設により、民営化から30年後となる2044年度の旅客数550万人(国内線435万人、国際線115万人)に対応する。
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仙台国際空港
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