エアバスは現地時間9月22日、シンガポール航空(SIA/SQ)にA350 XWBの超長距離型となるA350-900ULR(Ultra-Long Range)の初号機(登録番号9V-SGA)を引き渡したと発表した。10月11日からシンガポールとニューヨーク対岸のニューアークを結ぶ、世界最長の商業運航便に投入する。
A350-900ULRは、A350-900の航続距離を伸ばした機体で、燃料システムや翼端のウイングレットを改良し、燃料タンクを追加。最大離陸重量(MTOW)は280トンに増加し、航続距離を最長9700海里(約1万7964キロ)または20時間に伸ばした。燃料タンクの容量は、A350-900より2万4000リットル多い16万5000リットルで、飛行時間18時間45分と世界最長のシンガポール-ニューアーク直行便を運航できる。
シンガポール航空は、A350-900を67機発注しており、今回の引き渡しで22機目。67機のうち7機がA350-900ULRで、2015年10月に発注してローンチカスタマーとなった。座席数は2クラス161席で、ビジネス67席とプレミアムエコノミー94席となっており、エコノミーは設定しない。
シンガポール航空は、2016年3月にA350-900の初号機(9V-SMA)を受領し、同年5月に初便が就航。日本路線には、同年12月13日から羽田空港へ乗り入れている。座席数は3クラス253席で、ビジネスクラス42席、プレミアムエコノミークラス24席、エコノミークラス187席。ビジネスは中央部にオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)がなく、開放的な客室が広がる。
2004年から2013年まで、シンガポール航空はA340-500でシンガポールからロサンゼルスとニューアークへの直行便を運航。同機を手放したことで運休していた。ニューアーク線はおよそ5年ぶりの再就航となる。
A350-900ULRの導入により、シンガポール-ロサンゼルス線も11月2日から再開。既存のサンフランシスコ線にも投入を計画している。
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