日本航空(JAL/JL、9201)は9月21日、関西地区への訪日客誘致を強化する取り組みを開始すると発表した。観光庁が展開する訪日客活性化キャンペーンの一環で、伊丹-香港間で臨時代替便を運航するほか、関西空港着の国際線を割引運賃で提供する。
—記事の概要—
・赤坂社長「訪日客を最優先」
・海外発最大3割引き
・観光庁の集中キャンペーン
赤坂社長「訪日客を最優先」
今回の臨時便は、香港発を10月17日、伊丹発を同月21日に設定。香港発を未明、夕方に伊丹を出発するスケジュールで運航する。機材は未定。
2019年は観光庁と日本政府観光局(JNTO)、香港政府観光局の3者が「日本香港観光年」として相互の観光交流を深めることから、代替便を設定する。9月21日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれている「ツーリズムEXPOジャパン」で取材に応じたJALの赤坂祐二社長は、代替便について「訪日客を最優先した」と狙いを説明。香港以外の伊丹国際線については、「チャンスがあれば」と述べるに留めた。
海外発最大3割引き
関西発着の国際線は、上海と台北、バンコク、ロサンゼルスの4路線を対象に、現地発のキャンペーン運賃を設定。割引率は最大3割程度となる見込みで、各国の認可取得後から10月31日まで販売する。出発日は10月1日から12月15日まで。
訪日客を対象とした国内線運賃「Japan Explorer Pass」も、期間限定で値下げする。伊丹と関空、南紀白浜の3空港発着路線が対象で、首都圏から関西地方へ向かう外国人の利用を促進する。
羽田-伊丹、関空、南紀白浜の各路線を、7560円から5400円に値下げ。1万800円の伊丹と関空からの札幌線は、7560円とする。販売は9月28日から12月12日まで、出発72時間前まで購入できる。出発日は10月1日から12月15日まで。
観光庁の集中キャンペーン
9月の台風21号で冠水した関空は、21日に第1ターミナル(T1)北側の運用を再開。これにより、関空の旅客施設は一通り利用できるようになった。
関空の再開を受け、観光庁は同日から、関西地区の訪日客活性化キャンペーン「ウェルカム・関西・ジャパンキャンペーン」を開始。韓国の秋夕(チュソク、9月23日から25日まで)や中国の国慶節(10月1日から7日まで)など、大型連休挟んだ1カ月程度で集中的に展開する。航空各社や旅行会社などと協力し、割引商品を設定するほか、関空の復旧状況などを情報発信する。
ANAも訪日客誘致強化
・ANA、中国6路線で割引運賃 関西への誘客強化(18年9月21日)
21日から通常運航に
・関空、1タミ全面再開 北側初便は香港航空(18年9月21日)
・関空便、21日から通常運航へ ANAとJAL(18年9月18日)
伸びが鈍かった8月の訪日客
・8月の訪日客、伸び鈍化続く 地震・豪雨影響、18年累計2000万人超え(18年9月21日)