関西空港を運営する関西エアポート(KAP)は9月10日夜、台風21号で冠水した第1ターミナル(T1)について、国際線南側に15あるスポット(駐機場)は、14日ごろに14スポットが使用可能になり、中央にある国内線は、11スポットすべてが使用できるようになるとの見通しを明らかにした。被害が大きかった国際線北側の15スポットは調査中で、T1の全41スポットのうち、約6割にあたる25スポットが14日ごろから使えるようになる。
*T1運用再開当日の記事はこちら。
KAPによると、第2ターミナルで国内線の一部運用を再開した7日時点で、T1で使用可能なスポット数は、国際線南側が12、国内線が6、北側が調査中だった。復旧作業は南側を中心に、14日の暫定運用開始を視野に進めている。
冠水したA滑走路についても、排水や清掃が進んでいるという。成田空港からもスイーパー(路面清掃車)を借り、10日時点で滑走路と誘導路、エプロンは作業を終え、GSE(地上支援車両)の通行帯を一部残すのみとなった。航空灯火も、14日ごろにはすべて使用可能になる見通し。
T1内の照明や空調、防災設備も、7日時点では一部停電が起きていたが、14日ごろにはほぼ復旧し、照明と防災設備は20日の本復旧を見込む。
今後の課題は、タンカー衝突で破損した連絡橋を使用する鉄道や道路といったアクセスの確保だ。国土交通省では、鉄道の暫定再開まで1カ月程度はかかると見ており、対岸のりんくうタウン駅まではシャトルバス輸送となる。T1暫定再開時には、乗客がストレスなく利用できる範囲での空港運用が求められる。
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関西国際空港
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