天草エアライン(AHX/MZ)は8月14日、乗員繰りで天草-福岡線(1日3往復6便)の2便を欠航した。12日にパイロット2人が乗務停止となり、代わりの乗員を手配できなかったため。16日と17日も、同路線で1往復2便ずつ計4便が欠航する。
乗務停止になったのは、12日の伊丹発熊本行きMZ802便を運航していた機長と副操縦士。伊丹で管制許可を得ずに地上走行したため、2人は到着地の熊本空港で乗務停止となった。これにより、代わりのパイロットが手配できず、3日間で6便の欠航が決まった。
14日に欠航したのは、天草を午後5時55分に出発予定だった福岡行きMZ107便(ATR42-600型機、登録番号JA01AM)と、折り返しで福岡午後7時5分発のMZ108便の合わせて2便。16日と17日も、MZ107/108便が欠航する。
天草エアによると、同社のパイロットは現在7人。1機のATR42-600で、天草-福岡線を1日3往復6便、天草-熊本線と熊本-伊丹線を1日1往復2便ずつの、1日計10便を運航しているが、パイロットの人数は余裕がない状況が続いている。
天草エアは、日本航空(JAL/JL、9201)グループの日本エアコミューター(JAC/JC)から、同型機のATR42-600(JA01JC)を今年6月1日から8月3日までのうち、計46日間リース。これまでは機体を重整備する際、機体が1機しかないため長期間運休していたが、JAC機を使用することで運休を回避できた。
国内でATR42を運航する初めての航空会社として、天草エアは2016年2月20日に、2代目「みぞか号」としてATR42-600の運航を開始。同じ機種を使う天草エアとJACは、2015年度から協力体制を構築している。
しかし、今回のような緊急時にパイロットを両社間で融通する取り決めにはなっていないため、欠航を回避できなかった。
JACと天草エアが共通事業機
・天草エア、JAC共通事業機の運用再延長 ATR42-600リース(18年7月9日)
・JAC、天草エアにATR42リース 期間限定、重整備での運休回避(18年5月29日)
2代目みぞか号が日本初のATR機
・天草エアライン、2代目みぞか号就航 新制服も導入(16年2月20日)
写真特集・天草エアラインATR42 2代目「みぞか号」
・機体編 親子イルカ塗装を踏襲(15年10月4日)
・機内編 客室前方は対面シート(15年10月4日)
ATR社の日本戦略
・「リージョナルジェットより景色も燃費も良い」特集・ATRシェーラーCEOに聞く日本戦略(17年11月14日)
・仏ATRのCEO、ターボプロップ機の優位性強調 鹿児島でMRO展開視野に(16年4月18日)