2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピックまで、あと2年を切った。酷暑の東京で開く日程が見直されない限り、週で数えれば100週ちょっとで東京では2回目のオリンピックが開かれる。
前回1964(昭和39)年の東京オリンピックは10月10日に開幕し、24日までの15日間で金メダル16個を含む29個のメダルを獲得した。東京の国立競技場にともされた聖火は、ギリシャのオリンピアで8月21日に採火式が行われ、アテネから日本航空(JAL/JL、9201)のダグラスDC-6B型機「City of Tokyo」号(登録番号JA6206)で、イスタンブールやベイルート、テヘラン、ラホール、ニューデリー、ラングーン、バンコク、クアラルンプール、マニラ、香港、台北の11カ所を経て、9月7日に返還前の沖縄・那覇空港へ到着した。
那覇からは、全日本空輸(ANA/NH)にリースされた日本航空機製造のYS-11型機の試験2号機(JA8612)で、聖火リレーがスタートする鹿児島と宮崎、北海道へ運ばれた。
ANAは、パイロットや整備士、客室乗務員など12人で聖火輸送隊を編成。機内には飛行機が揺れても聖火が消えないよう、4つのコースごとに使う聖火を置く専用の台が設けられた。
このYS-11に乗務した2人の客室乗務員のうち、白木洋子さんに当時の様子を聞いた。
—記事の概要—
・名古屋からは乱気流
・MRJ聖火輸送に期待
名古屋からは乱気流
白木さんは高校卒業後、東京・丸の内の銀行に勤めていた。新聞広告でANAが客室乗務員を募集していることを知った姉が、入社試験を受けるよう勧めたことで、空の仕事に転じた。
「人と接してお話しするのが好きでした」という白木さんは、1960(昭和35)年5月に入社した。ANAの前身となる日本ヘリコプター輸送と極東航空が合併に先立ち、商号を全日本空輸に改めたのが1957(昭和32)年12月。プロペラ機のダグラスDC-3や、コンベア440が飛んでいた時代だった。
聖火輸送隊に選ばれた
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