日本航空(JAL/JL、9201)の斉藤典和専務は7月31日、成田とハワイ島を結ぶ成田-コナ線について、ハワイ島の火山活動による影響で、ロードファクター(座席利用率)が7割を切っていることを明らかにした。一方で、ホノルル路線よりも高単価であることから、差別化が進められるとの見通しを示した。
ハワイ島では、南東部のキラウエア火山が5月4日に噴火。一方で、ハワイ島の玄関口となるコナ国際空港からキラウエア火山までは、直線距離で120キロ以上離れており、間には4000メートル級の山がそびえていることから、ハワイ島観光局やJALは、コナ線の運航に支障はないとの見方だ。
JALは2017年9月15日から、成田-コナ線を直行便で1日1往復運航。今年3月からは、ハワイアン航空(HAL/HA)とのコードシェアなどの提携を始めている。斉藤専務は、「コナ線は火山の影響を受け、ロードファクターは7割を切っており、60%台後半だ」と現状を述べた上で、「ビジネスクラスやエコノミークラスの上位運賃が売れており、ホノルルとは差別化ができている。ハワイアン航空とのコラボレーションで、差別化を進めたい」と語った。
ハワイ路線では、関西-ホノルル線がLCCのエアアジアX(XAX/D7)やスクート(TGW/TR)との競争環境にある。斉藤専務は同路線について、「期間増便でASK(有効座席キロ)は1.5倍となり、需要も1.3倍とついてきている」と説明。「昨年のロードファクターは90%近かったが、今年は77%と悪くはなく、期待通りの成績だ」と述べた。
31日に発表したJALの2018年4-6月期(19年3月期第1四半期)決算は、売上高が3421億円(前年同期比8.7%増)、営業利益は249億円(0.7%増)、経常利益は231億円(5.9%減)、純利益は175億円(10.3%減)だった。通期予想は据え置きで、売上高が2018年3月期比5.2%増の1兆4550億円、営業利益は4.3%減の1670億円、経常利益は4.4%減の1560億円、純利益は18.8%減の1100億円と、増収減益を見込む。
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