キャセイパシフィック航空(CPA/CX)は7月17日、エアバスA350-1000型機の日本路線への導入を開始した。乗員慣熟の一環で、香港-関西線に投入した。同型機が商業飛行で日本に飛来するのは初めて。
17日の香港発CX594便と、折り返しのCX595便に、同社向け初号機(登録番号B-LXA)を投入。CX594便は定刻より20分早い、午後0時35分に関西空港に到着した。CX595便は、香港空港上空に低気圧が通過した影響で、交通量が制限されたことにより、定刻から4時間33分遅れの午後11時43分に関空を出発した。
今後、日本路線を含むアジア各路線で運航し、現地時間9月15日に開設する香港-ワシントンDC線に投入する。同路線は8153マイル(約1万3121キロ)、フライト時間は約17時間となる見込みで、キャセイの路線では最長となる。
ワシントンDC線に投入後は、10月28日導入のマドリード線、テルアビブ線、アムステルダム線、マンチェスター線、チューリッヒ線への投入を計画している。
A350-1000は、エアバスの最新鋭機A350 XWBの長胴型。キャセイは20機発注済みで、現地時間6月19日に、仏トゥールーズで初受領した。2号機(B-LXC)は、7月19日に受領予定で、年内は計8機を受領する見通し。2021年までの4年間で、全機が引き渡される見込み。
座席数は3クラス334席で、ビジネス46席、プレミアムエコノミー32席、エコノミー256席で、3クラス280席(ビジネス38席、プレミアムエコノミー28席、エコノミー214席)のA350-900と比べて54席増える。
商業運航は7月1日から開始。香港-台北線のCX484/485便が初便で、現在は乗員の慣熟を進めている。17日以降、関西線を含めた日本路線への投入予定はない。
A350-1000の日本初飛来は今年2月14日で、中東・アジア太平洋地域でのデモンストレーションツアーの一環として、羽田に飛来。3機ある飛行試験機のうち、垂直尾翼にカーボン模様の塗装が施された2号機(MSN065、F-WLXV)をツアーに投入した。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機となっている。就航予定は2019年で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は、長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。
関連リンク
キャセイパシフィック航空
Airbus
エアバス・ジャパン
6月に初号機受領
・キャセイパシフィック航空、A350-1000初受領 7月から香港-台北線(18年6月19日)
A350-1000試験機 日本初公開
・JAL植木社長「総額見て手が震えた」 次世代旗艦機A350-1000、日本初飛来(18年2月15日)
・エアバスとJAL、A350-1000お披露目 植木社長「長距離国際線の後継機」(18年2月14日)
・A350-1000、日本初公開終えマニラへ(18年2月14日)
・A350-1000が日本初飛来 JALが導入(18年2月14日)
写真特集・キャセイパシフィック航空A350-900
ビジネスクラス編 収納と快適性こだわったヘリンボーン配列(17年1月14日)
プレエコ・エコノミー編 ダークグリーンで統一(17年1月16日)
操縦室・ギャレー編 ギャレーに大きなテーブル、操縦席は大型画面(17年2月19日)