ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は現地時間7月15日、ロンドンで会見を開き、“797”とメディアが呼ぶ小型機737 MAXと中大型機787の間に位置する中型機「NMA(New Middlesize Airplane)」について、従来より同社が示している2019年にローンチする方向で、検討を進めていると述べた。
NMAは、北米の航空会社を中心に需要がある中型機757の後継機とされるもので、メディアの間では、787に続く「797」が割り当てられるのではないかとみられている機体。昨年6月のパリ航空ショーでローンチが発表された、ボーイング最大の単通路(ナローボディー)機737 MAX 10と、双通路(ワイドボディー)機の中では小型となる787-8の間に位置するサイズで、2クラス約200席の757-200や、同250席の757-300の置き換え需要が期待できる。
マレンバーグ会長は、「顧客の必要性を探り、良いビジネスを模索したい」と語り、ローンチした場合の就航時期については、従来通り2025年を想定していることを示した。一方で、797に関する具体的な仕様などの言及はなかった。
現地時間16日朝(日本時間同日夕方)にロンドン近郊で開幕するファンボロー航空ショーでは、ボーイングは開発中の737 MAX 7の飛行展示(フライトディスプレー)などを行う予定。ライバルのエアバスは、757の置き換え需要をA321neoや航続距離延長型のA321LRで獲得しつつあり、需要が旺盛な単通路機市場を中心に、世界2強がファンボローでどのように受注を伸ばすかが注目される。
日本の航空会社では、ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチ・アビエーション(APJ/MM)が、航続距離の長い小型機による中距離国際線を計画。現時点では、条件に合致する機体が事実上A321LRのみだが、797がローンチすれば、航空会社の選択肢が広がりそうだ。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
Farnborough International Airshow 2018
“797”
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