IHI(7013)は、将来の戦闘機用ジェットエンジンのプロトタイプ「XF9-1」を、防衛装備庁の航空装備研究所へ6月29日に納入した。
XF9-1の推力は、アフターバーナ作動時の最大推力が15トン級で、2019年度末までエンジン運転試験を実施し、基本性能を確認する計画。前部のファン入口直径が約1メートル、軸長は約4.8メートルとなる。
IHIは2010年度に防衛装備庁から、次世代エンジン主要構成要素の研究試作を受注して、戦闘機用エンジンを提案し、圧縮機や燃焼器、高圧タービンの試作など進めてきた。
その後、2013年度に戦闘機用エンジンの要素技術について、研究試作を受注。耐熱材料技術などにより、心臓部となる「コアエンジン」の高圧タービン入口温度1800度の状態で、正常に動作することを確認した。
2015年度には、戦闘機用エンジンシステムの研究試作を受注。コアエンジンをベースとして、前部にファン、後部に低圧タービンとアフターバーナ、排気ノズルを装着したXF9-1を製造し、納入に至った。
2016年4月に初飛行した先進技術実証機「X-2」のエンジンで、IHIが手掛けたXF5-1は推力5トン、高圧タービン入口温度が1600度だった。XF9-1の開発では、最先端の材料技術や加工技術を随所に採り入れ、戦闘機用エンジンを研究開発する技術基盤の構築を進める。
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