エアバス, エアライン, 機体 — 2018年6月19日 19:40 JST

キャセイパシフィック航空、A350-1000初受領 7月から香港-台北線

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 キャセイパシフィック航空(CPA/CX)は現地時間6月19日、エアバスA350-1000型機の同社向け初号機(登録番号B-LXA)を仏トゥールーズで受領した。初の商業運航は、7月1日の香港-台北線のCX484/485便で、9月に開設するワシントンDC線など長距離路線に投入する。

トゥールーズで開かれたA350-1000初号機のデリバリー式典で記念撮影に応じるキャセイパシフィック航空のポール・ルー・カスタマー&コマース最高責任者(中央)とパイロット、客室乗務員=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
17時間のワシントンDC線投入
操縦資格はA350-900と共通

17時間のワシントンDC線投入

 A350-1000は、エアバスの最新鋭機A350 XWBの長胴型。キャセイは20機発注済みで、2号機は7月に受領する見通し。2021年までの4年間で、全機が引き渡される見込み。当初は台北線に毎日投入し、その後マニラや関西空港などアジア地域の中近距離路線で、乗員の慣熟を進める。

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 初便となるのは、7月1日の香港発台北行きCX484便で、香港を午後2時50分に出発し、午後4時45分着。台北を午後5時50分に出発するCX485便で午後7時45分に香港へ戻る。

 9月15日に就航するワシントンDC線は同社最長路線となり、フライト時間は約17時間となる見込み。その後、10月28日導入のマドリード線、テルアビブ線、アムステルダム線、マンチェスター線、チューリッヒ線への投入を計画している。

 座席数は3クラス334席で、ビジネス46席、プレミアムエコノミー32席、エコノミー256席で、3クラス280席(ビジネス38席、プレミアムエコノミー28席、エコノミー214席)のA350-900と比べて54席増える。

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のビジネスクラス=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで開かれたA350-1000初号機のデリバリー式典であいさつするキャセイパシフィック航空のポール・ルー・カスタマー&コマース最高責任者=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シートはA350-900と同一仕様。ビジネスは、全長191センチのフルフラットベッドになるタイプで、1-2-1席配列。シートを斜めに配置するヘリンボーン配列で、収納スペースを手の届く範囲に多く配置し、小物やノートパソコンなどをしまいやすくした。プレミアムエコノミーは2-4-2席配列、エコノミーは3-3-3席配列となる。また、機内Wi-Fiサービスも完備する。

 キャセイはA350-900を26機発注しており、22機運航中。A350-1000も含め全機が引き渡されると、A350は48機体制になる。2016年5月のA350-900初号機(B-LRA)の受領以降、デリバリーフライトには、バイオ燃料を10%混合したジェット燃料を使用している。

 キャセイのポール・ルー・カスタマー&コマース最高責任者は、「燃費や環境性能が高く、乗客にはすばらしい客室を備えた、エキサイティングな飛行機だ」とアピールした。

操縦資格はA350-900と共通

 A350-1000は、システムの95%がA350-900と共通で、タイプレーティング(機種別操縦資格)も共通。主翼の後縁が改良され、メインランディングギア(主脚)は従来の4輪から6輪に改められた。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで開かれたA350-1000初号機のデリバリー式典で記念撮影に応じるキャセイパシフィック航空のポール・ルー・カスタマー&コマース最高責任者(中央)、エリック・シュルツCCO(右から2人目)、ロールス・ロイスのドミニク・ハーウッド・カスタマーサービス担当ディレクター、客室乗務員=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エアバスのエリック・シュルツCCO(最高営業責任者)は、「A350-900のパイロットは、追加訓練なしに乗務できる」と、A350-900との共通性を強調した。

 エアバスの受注リストによると、5月末現在、A350 XWBの受注は847機で、このうちA350-1000は12顧客が168機を確定発注。A350-1000の引き渡しは1機のみで、カタール航空(QTR/QR)へ初号機(A7-ANA)を2月20日に引き渡している。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、2019年にA350-900の国内線仕様機から導入を予定しており、6年程度で777を置き換える。A350-1000は、長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。

運航スケジュール
CX484 香港(14:50)→台北(16:45)
CX485 台北(17:50)→香港(19:45)

トゥールーズで開かれたデリバリー式典でお披露目されるキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで開かれたデリバリー式典でお披露目されるキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで開かれたA350-1000初号機のデリバリー式典で記念撮影に応じるキャセイパシフィック航空の客室乗務員=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたA350-1000初号機の主脚周辺を見て回るキャセイパシフィック航空のパイロット=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のトレントXWB-97=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のビジネスクラス=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のビジネスクラス=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のプレミアムエコノミークラス=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のエコノミークラス前方エリア=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のエコノミークラス後方エリア=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡されたキャセイパシフィック航空のA350-1000初号機のエコノミークラス後方エリア=18年6月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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