IATA(国際航空運送協会)は現地時間6月4日、世界の航空会社による今年の純利益予想について、338億ドル(約3兆7057億円)になるとの見通しを示した。前回2017年12月の発表から46億ドル引き下げた。燃油費や人件費の上昇により、過去最高となった2017年の380億ドルを下回る見込み。
IATAによると、2017年の純利益は一時的な税額控除など、特別会計の項目で押し上げられたものだったという。燃油費は運航コストのうち24.2%を占め、ブレンド原油の年間平均価格は、前年より27.5%上昇して1バレルあたり70ドル、ジェット燃料は1バレル84ドルと予想している。
今年の旅客数は、前年比7.0%増と予想。2017年の8.1%を下回るものの、20年平均の5.5%は上回るという。座席供給量は前年比6.7%増、ロードファクター(座席利用率、L/F)は前年を0.2ポイント上回る81.7%を見込む。
貨物需要は前年比4.0%増と、2017年の9.7%を下回るが、過去20年間の傾向と一致しているという。
地域別では、北米の航空会社が前年比18.4%減の純利益150億ドルを上げ、世界の利益のうち44%を占めると予想。これに欧州の航空会社の純利益86億ドル(前年比6.2%増)が続き、アジア太平洋地域は3番手となる82億ドルを見込む。
航空会社に引き渡される航空機は、1900機以上と予想。2017年の1722機を上回る見通しで、多くは燃費効率が悪い、経年機の置き換えとなる。
IATAは5日まで、シドニーで航空各社首脳が集まる第74回AGM(年次総会)を開催している。
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IATA
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