ベトナムのベトジェット航空(VJC/VJ)は5月31日、ハノイ-関西線を11月8日に開設すると都内で発表した。同社初の日本への定期便で、2019年春には羽田への就航を計画している。
—記事の概要—
・A321neoで羽田就航へ
・年内にJALとシステム接続目指す
A321neoで羽田就航へ
ハノイ-関西線は1日1往復(週7往復)で、機材はエアバスA320型機を使用する。運航スケジュールは、関西行きがハノイのノイバイ国際空港を午前1時45分に出発し、午前7時50分着。ハノイ行きは午前9時20分に関西空港を出発し、午後1時10分に到着する。
航空券の販売は6月8日を予定。来日したベトジェットのグエン・ティ・トゥイ・ビン副社長は「日本語で会話できる人材を乗務させる」と語った。
ベトジェットは2011年12月に就航したベトナム初の民間航空会社。ベトナム航空(HVN/VN)に次ぐ同国第2位の航空会社で、2015年からはラウンジや優先搭乗などの上級サービスを提供する「スカイボス(SkyBoss)」を設定している。現在は「ニューエイジ(新世代)航空会社」を名乗り、FSC(フルサービス航空会社)とLCC(低コスト航空会社)の間のサービスを目指す。
機材はエアバスA320型機(180席)と、A321(230席)、A321neo(230席)を合わせて60機運航。今後の導入機材として、ボーイング737 MAX 200を100機発注済みのほか、A320neoやA321neoを合わせると220機発注している。
A321neoが日本路線に就航する可能性について、ビン副社長は「日本路線は今後、すべてA321neoに切り替える」とした上で、「羽田とホーチミンを結ぶ路線を当局に申請しており、就航は2019年春になるだろう」と、A321neoによる羽田就航を示唆した。
日本路線が関空からスタートする理由については、「A320の航続距離や乗員繰りなどを考え、1路線目はハノイ-関西線が適していると判断した」(ビン副社長)と語った。
年内にJALとシステム接続目指す
ベトジェットを傘下に持つベトジェット・アビエーション・ジョイント・ストック・カンパニーは2017年7月に、日本航空(JAL/JL、9201)と包括的業務提携の実施に向けて覚書を締結。今年以降、相互にコードシェア(共同運航)を行うほか、マイルによるサービスなども提携対象として検討する。
JALとの提携について、ビン副社長は「今年中に両社の予約システムが接続でき、サービスを提供するのが目標だ」と語った。
国土交通省航空局(JCAB)は5月7日付で、ベトジェットから出されていた外国人国際航空運送事業の経営許可申請を許可。当初の就航予定日は6月24日だった。ビン副社長は、「1カ月では準備が万全ではないと判断したのが、最大の理由。最優先しているのは、運航の安全性と、サービスの品質だ」と説明した。
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