シンガポール航空(SIA/SQ)は現地時間5月30日、シンガポール-ニューアーク線の直行便を10月に再就航すると発表した。超長距離型となるエアバスA350-900ULR(Ultra-Long Range)の導入によるもので、同路線は世界最長路線となる。
—記事の概要—
・1万6700キロ、18時間45分
・ビジネス・プレエコのみの161席
1万6700キロ、18時間45分
10月11日から当初週3往復で開始し、追加のA350-900ULRを受領後の10月18日からは毎日運航する。ニューアーク行きSQ22便はシンガポールを午後11時35分に出発し、翌日午前6時に到着する。シンガポール行きSQ21便はニューアークを午前10時45分に出発し、翌日午後5時30分に到着する。
飛行距離は9000海里、1万6700キロ。所要時間は18時間45分で、世界最長の商業路線となる。
シンガポール航空は2004年から2013年まで、A340-500でシンガポールからロサンゼルスとニューアークへの直行便を運航。同機の返却により運休していた。ニューアーク線はおよそ5年ぶりの再就航となる。
同社は現在、北米4都市に就航し、ニューアークが5都市目となる。ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)へはフランクフルト経由で、ヒューストンへはマンチェスター経由で、ロサンゼルスへは成田・ソウル(仁川)を経由し乗り入れ、サンフランシスコへは直行便のほか、香港経由便も設定している。
今後、A350-900ULRによるロサンゼルス直行便も計画する。シンガポール航空によると、直行便の就航後も、成田・ソウルの経由便も継続する見込みだという。
ビジネス・プレエコのみの161席
A350-900ULRは、A350-900の航続距離を伸ばした機体で、燃料システムを改良し、燃料タンクを追加。最大離陸重量(MTOW)は280トンに増加し、航続距離を最高9700海里(約1万7964キロ)または20時間に伸ばした。燃料タンクの容量は、A350-900より2万4000リットル多い16万5000リットルとし、世界最長となるシンガポールからニューヨークまでの直行便を運航できる。
シンガポール航空は、A350-900を67機発注しており、21機を受領済み。67機のうち7機がA350-900ULRで、2015年10月に発注してローンチカスタマーとなった。
初号機は9月に受領する見込み。座席数は2クラス161席で、ビジネス67席、プレミアムエコノミー94席。エコノミーは設定しない。
シンガポール航空は、2016年3月にA350-900の初号機(登録番号9V-SMA)を受領し、同年5月に初便が就航。日本路線には、同年12月13日から羽田空港へ乗り入れている。座席数は3クラス253席で、ビジネスクラス42席、プレミアムエコノミークラス24席、エコノミークラス187席。ビジネスは中央部にオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)がなく、開放的な客室が広がる。
運航スケジュール
10月11日から17日まで
SQ22 シンガポール(23:35)→ニューアーク(翌日06:00)運航日:月木土
SQ21 ニューアーク(10:45)→シンガポール(翌日17:30)運航日:火金日
10月18日から27日まで
SQ22 シンガポール(23:35)→ニューアーク(翌日06:00)運航日:毎日
SQ21 ニューアーク(10:45)→シンガポール(翌日17:30)運航日:毎日
10月28日以降
SQ22 シンガポール(00:40)→ニューアーク(05:30)運航日:月木土
SQ21 ニューアーク(09:45)→シンガポール(翌日17:15)運航日:火金日
関連リンク
シンガポール航空
Airbus
エアバス・ジャパン
シンガポール航空の米路線
・シンガポール航空、サンフランシスコ直行便10月開設 A350で16時間(16年6月16日)
・シンガポール航空、ロサンゼルス増便へ 10月からソウル経由でも(16年6月17日)
長距離機材導入で通過客減少の成田
・“ジャパンパッシング”続く成田、カギ握る航空自由化 特集・減り続ける通過客(18年3月23日)
A350
・A350超長距離型が初飛行 シンガポール航空が18年後半就航へ(18年4月25日)
・エアバス、A350-900ULRロールアウト シンガポール航空が世界最長NY直行便(18年3月1日)
・ビジネスクラスは天井広々 特集・シンガポール航空A350-900の機内(17年2月11日)
・シンガポール航空のA350、羽田就航 定期便で初飛来(16年12月14日)
・エアバス、航続距離延長型A350-900ULRローンチ シンガポール航空、米国線に(15年10月14日)
A380や777X、787-10
・シンガポール航空、関空で787-10日本初公開 就航50周年、5月に世界初定期便(18年4月4日)
・世界初の787-10、関空経由で到着 写真特集・シンガポール航空787-10(18年4月4日)
・シンガポール航空、787-10公開 新シート採用、5月に関空就航(18年3月28日)
・シンガポール航空の787-10、関空へ世界初の着陸 5月就航(18年3月28日)
・ボーイング、787-10をシンガポール航空へ初納入 関空へ5月就航(18年3月26日)
・シンガポール航空、機内刷新のA380初号機受領 フルフラットベッドのスイート(17年12月14日)
・シンガポール航空、777Xを正式発注 787-10も合わせ39機(17年10月24日)