企業, 機体 — 2018年5月28日 07:45 JST

ホール選手が優勝 レッドブル・エアレース千葉、室屋選手は棄権

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 小型プロペラ機によるレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの2018年シーズン第3戦が5月26日と27日、千葉県立幕張海浜公園で開かれた。マット・ホール選手が56秒367を出して優勝した。

レッドブル・エアレース千葉大会で優勝決定直後にコックピットライブカメラが映し出したホール選手=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

 千葉大会は2015年に初開催され、今回で4年目。これまでの3年間で約30万人が来場し、世界各地で行われているレッドブル・エアレースの中で来場者がもっとも多い大会となり、今年は約7万人が来場した。

 今回は大会で使用する滑走路脇に、18階建て高さ約70メートルの東京ベイ東急ホテルが1日にオープン。航空法の規制に引っかかったが、主催者がホテルを貸し切って無人にすることで、国土交通省が特例で開催を許可した。

レッドブル・エアレース千葉大会で使用する滑走路横に開業した高層ホテル(左)=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

—記事の概要—
ホール選手「チーム作りの結果」
室屋選手「プレッシャー大きかった」

ホール選手「チーム作りの結果」

 26日の予選でトップとなったのは、マイケル・グーリアン選手。エアゲートを通過する時に上昇していた場合、ペナルティーが課されるため千葉大会では鬼門と言われる「クライミングコレクトレベル」で、ほかの選手がペナルティーを取られる中、トップタイムの55秒424を出した。

レッドブル・エアレース千葉大会で優勝したホール選手の機体=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

 グーリアン選手は開幕戦アブダビ大会で優勝し、第2戦カンヌ大会で3位と表彰台を獲得。第2戦時点で24ポイントを獲得し、ランキングトップとなった。

 予選のフライトについて、グーリアン選手は「千葉大会のコースは、テクニックが必要なコースだ。スタートからリズムが必要で、途中リズムを崩したがミスをしなければ良いタイムが出ると信じて2本目を飛んだ」と語った。

 27日の決勝戦では、マット・ホール選手が56秒367を出し優勝を飾った。予選トップで準優勝となったグーリアン選手が、シケインとバーティカルターンで手こずった事とは対象的に、異なるコース取りとシケインのスムーズさで、第2戦カンヌ大会の1位から2連勝となった。

 今回の優勝で、ホール選手のポイントは36となり、ワールドチャンピオンシップ順位はグーリアン選手と1位タイで終了した。優勝の要因として、ホール選手は「エアレースはチームスポーツであり、今年はチーム作りに取り組んで来た結果だと思う」と述べた。

室屋選手「プレッシャー大きかった」

 一方、3連覇が期待された室屋義秀選手は、決勝戦でオーバーG(最大重力加速度超過)となり、途中棄権となった。

レッドブル・エアレース千葉大会で途中棄権となった室屋選手の機体=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

 室屋選手は今シーズンに入り、エアインテークとウイングチップ、垂直尾翼の改造を試みた。垂直尾翼は千葉大会前にベースである福島で調整し、予選までは新型を使った。「慣熟が不十分と判断し、決勝前日に元のセッティングに戻したが、操作の対応が完璧ではなかった」と、敗因を分析した。

 ホール選手とは、27日のRound 14で対戦。「ホール選手のタイムが55秒529と、最速スピードだったことのプレッシャーが大きかった」と、対戦時の心境を語った。

 エアレース第4戦は、6月23日と24日にハンガリーの首都ブダペストで開催される。

*写真は6枚。

レッドブル・エアレース千葉大会決勝戦後に開かれた記者会見に出席するホール選手(中央)ら=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

レッドブル・エアレース千葉大会で準優勝したグーリアン選手の機体=18年5月27日 PHOTO: Sho KOSHIJIMA/Aviation Wire

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