成田空港で5月21日、全日本空輸(ANA/NH)の香港行きNH809便(ボーイング767-300ER型機、登録番号JA625A)が出発直後に機内でモヤ状のものが発生したため、引き返すトラブルがあった。
ANAによると、乗客127人(幼児3人含む)と乗員10人(パイロット2人、客室乗務員8人)のうち、乗客8人が体調不良を訴えたが、病院へ搬送された人はいなかったという。
NH809便は午前9時49分に出発した直後、1メートルほど移動した時にモヤ状のものが機内で発生。PBB(搭乗橋)を再度機体に付け、乗客を降ろした。
ANAでは、APU(補助動力装置)のオイルが漏れ、何らかの理由でエアコンのダクトを伝って霧状に噴出された可能性があるとして、調査を進めている。国土交通省航空局(JCAB)は、航空事故につながりかねない「重大インシデント」にはあたらないと判断した。
NH809便はその後、別の機材(767-300ER、JA611A)と乗員に変更し、午後4時32分に成田を再出発。定刻から6時間遅れの午後7時40分に香港へ到着した。搭乗予定だった乗客127人のうち、15人(幼児1人含む)が搭乗を取りやめた。
同便は、ANAと同じくANAホールディングス(9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航。ANAでは、2017年12月15日にも成田発バンコク行きNH805便(ボーイング787-8型機、登録番号JA832A)が飛行中、機内でモヤが発生したため那覇空港へ緊急着陸している。
関連リンク
全日本空輸
・片野坂社長「安全がすべて」4回繰り返す ANA、18年度入社式(18年4月1日)
・ANA、バンコク行きが那覇へ緊急着陸 機内にモヤ(17年12月17日)
・ANAの広州発羽田行き、“モヤ”発生で緊急着陸 けが人なし(17年11月2日)
・ANAの落下パネル、茨城で発見 7日の厦門発成田行き(17年9月28日)
・ANA、羽田発伊丹行きに与圧トラブルか 伊豆半島で引き返し緊急着陸(17年8月12日)
・ANAの787、ロシアに緊急着陸 エンジン不具合で(17年5月13日)
・ANAの新千歳オーバーラン、重大インシデント認定 運輸安全委、調査官派遣(17年1月19日)