今年のゴールデンウイークも、ハワイは搭乗率が8割と人気の渡航先だった。一方、5月4日にはハワイ島のキラウエア火山が噴火。米地質調査所は、マグニチュード6.9の地震が発生したことを明らかにした。
AFP通信やロイター通信などによると、住宅の倒壊などの被害が起きているが、リゾート地域からは離れているという。ハワイアン航空(HAL/HA)や日本航空(JAL/JL、9201)が運航する、東京からハワイ島コナ空港へ向かう便も、6日時点で通常通り運航している。
本特集では、入国審査場が混雑するオアフ島ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)を避け、羽田からハワイアン航空のコナ行きでハワイ島に入り、コナからホノルルに向かう同社のハワイ州内路線を利用。そして、ホノルルから羽田行きで帰国するルートを取り上げている。
前回は、羽田発コナ行きHA852便と、コナ空港到着時の様子を取り上げた。第2回目の今回は、コナ空港の様子と、ホノルル行きHA207便の機内を取り上げる。
—記事の概要—
・こぢんまりしたターミナル
・50分でホノルルへ
こぢんまりしたターミナル
記者(私)は今回、ハワイアン航空の取材がホノルルであったため、これに合わせて、羽田→コナ→ホノルル→羽田というルートを検証したため、コナは乗り継ぎのみ。しかし、このルートであればホノルルの入国混雑を回避して、旅行の前半はハワイ島やほかの島々を巡り、後半にホノルル入りしてショッピングや観光を楽しんで帰国する、というスケジュールが組める。
ホノルルでは日本から到着後、入国審査を終えるまでに1時間程度かかることが多々ある。これに比べ、コナに就航している国際線は、現時点ではハワイアンとJALのみで、到着時間が2時間ほどずれているため、ホノルルのような混雑はみられない。
前回触れたように、私はコナ到着後、乗客の中で2番目に降りたが、入国審査の施設がある白いテントに入ってから審査を終えるまで、所要時間は7分ほどだった。
そして、国際線ターミナルを出て右へ曲がり、しばらく歩くと国内線の保安検査場がある。検査を受けてターミナルに入ると、平屋の待合所や土産物店、ハワイアン航空のラウンジなどが目に入る。日本の地方空港と比べると、良くも悪くも搭乗施設のみという印象だ。空港のターミナルというよりも、バスターミナルのような規模感、というほうがしっくりくるかもしれない。
コナには昼12時半すぎに到着し、次に搭乗するホノルル行きHA207便が出発するのが午後3時ごろと、保安検査を終えてから搭乗開始までだいたい1時間半から2時間程度の空き時間があった。
しかし、前述のようにターミナル内で時間をつぶせる場所はほとんどなく、ハワイ州内路線を飛ぶボーイング717-200型機の資料写真撮りなども、すぐに終わってしまった。もっとも、コナから入国する場合は、ハワイ島で過ごしてから州内路線を利用する人がほとんどだろう。
50分でホノルルへ
今回は、コナからホノルルまでの区間もビジネスクラスだったため、ラウンジが利用できた。空港の取材が終わったところで、ラウンジに入る。入口の機械に航空券を通すと入室できた。ターミナルの規模と同じく、ラウンジもこぢんまりしたサイズだったが、コーヒーや紅茶、コーラをはじめとするソフトドリンクなどは一通りそろっており、無線LANも完備されていた。
テーブルと電源もあったので、私は羽田からコナまでの機内で書いた原稿を出稿するなど、ハワイ取材とは関係ない仕事に手を付けて時間をつぶした。当紙の記者は私を含めて2人なので、現地取材以外の時間は機内も含め、普段通りに作業をしなければならないのが悲しいところだ。リゾート地に着くと、いつも以上に強く感じる。
ラウンジで仕事を続けていると、搭乗時間になった。機材到着が遅れたため、出発も20分ほど遅れた。コナはPBB(搭乗橋)がないので、どの便も移動式スロープが機体に横付けされる。
ホノルル行きHA207便の機材は、ほかの州内路線と同じく717。旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)が「MD-95」として開発を始めたが、合併に伴い改称されたものだ。ハワイアン航空の機体の座席数は123席から128席で、123席仕様の場合は前方2列が2-2席配列のビジネスクラス8席で、残り115席が2-3席配列のエコノミークラスとなる。
1列目の自席に座り、ドアが閉まって機体が動き出してしばらくすると、後方からエンジン音が聞こえてきたが、至って静か。離陸時も含め、新幹線に乗っているような感覚だった。
ビジネスクラスでは、出発前に客室乗務員が乗客に飲み物の希望を聞いて回っており、水平飛行に入ると注文した飲み物が提供された。エコノミークラスでは、カップに入ったミネラルウオーターを配っていたようだ。そして、離陸から30分で着陸態勢に入った。右側の窓を見ると、ダイヤモンドヘッドやワイキキの街並みが見えてきた。
ホノルルには午後4時ごろ到着。約50分の短いフライトを終え、PBBのあるスポットに入った。
降機してバゲージクレームで預け手荷物を受け取り、ターミナルを出る。当然ながら、日本からの直行便が到着する国際線エリアからは離れている。ワイキキのホテルに向かう乗り合いタクシーなどの乗り場は、にぎやかな国際線エリアにあるため、空港からホテルへ向かう交通手段を決める際には、乗り場の位置も事前に確認しておいた方がいいだろう。
コナからホノルルまでを振り返ると、保安検査場はそれなりに並んだが、ほかは特段ストレスに感じる場面はなかった。ホノルル以外にハワイ島も巡りたい旅であれば、コナから入国するほうが審査の待ち時間が短いだけではなく、のんびりした雰囲気もまた、リゾートらしさを感じられるだろう。
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ハワイアン航空
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