エアアジアのトニー・フェルナンデス・グループCEO(最高経営責任者)は3月21日、中部-ホノルル線開設を検討していることを明らかにした。米国西海岸への就航も視野に入れ、運休しているクアラルンプール-中部線の再開と合わせて準備を進める。
名古屋市内で、Aviation Wireの単独インタビューに応じたフェルナンデス氏は、中部空港(セントレア)から以遠権を行使する新路線の可能性について、「名古屋からハワイへの路線を近い将来検討したい。機体を入手できれば、米国西海岸にも就航したい」と語った。
2015年2月から運休しているエアアジアX(XAX/D7)のクアラルンプール-中部線については、「年内に再開したい」と意欲を見せた。エアアジアXのように中距離路線のLCCについて、日本の航空会社からは採算性を疑問視する声も聞かれる。
フェルナンデス氏は中距離LCCについて、「収益性があるものだ。日本は欧米へ10時間ちょっとと、どこへ飛ぶにも超長距離という訳ではない」と強調。「(日本からの中距離路線は)われわれの計画にも組み込まれており、エアバスA320やA330、ボーイング787を使った路線を申請したい。ワイドボディー機を操縦してもよいというパイロットを探している」と語った(787の関連記事はこちら)。
また、当初計画より約2年遅れとなる、2017年10月29日に就航したエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)の中部-札幌(新千歳)線については、「ロードファクターが平均80%で好調だ。もっともっと拡大したい」と述べた。
新路線や増便の可能性については、「JCAB(国土交通省航空局)に聞いて欲しい(笑)。いらだちの一つは承認が遅いことだ」と、現状に言及。「福岡、沖縄、大阪など、日本には素晴らしい場所がたくさんあるが、中部がわれわれのハブ(拠点)だ。今はここにフォーカスしている」と語った。
日本の航空運賃については、「もう少し下がっても良いのではないか。日本国内を飛ぶよりも、われわれの便でクアラルンプールへ飛んでしまったほうが安い場合もある。その原因は、大手2社のほぼ寡占状態にあることが理由ではないか。航空会社が増えて、競争が増えるべきではないか。個人的な意見だが、日本には純粋なLCCは、われわれ以外にはもうないのではないか」との見方を示した。
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