関西空港を運営する関西エアポートは3月20日、24時間運用のビジネスジェット専用施設「Premium Gate 玉響」(プレミアムゲートたまゆら)を、6月上旬にオープンすると発表した。専用の保安検査場やCIQ(税関・出入国管理・検疫)などを設ける。
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玉響は、LCCが乗り入れる第2ターミナル国内線エリアの一部に新設。面積は約300平方メートルで、専用の乗降場所や駐車場、会議室、受付カウンター、待合ラウンジなどを設ける。
現在、ビジネスジェットの利用者は第1ターミナルにある一般の出入国動線を使うが、専用施設によりプライバシー性の高いサービスが提供できるようになる。
関西エアによると、ビジネスジェットが利用できるスポット(駐機場)は18スポットで、2017年の利用実績は795便(国際771便、国内24便)だった。今後は2019年のG20大阪開催やラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどを契機に、ビジネスジェットの利用増加を見込んでいる。
施設利用料は現在詰めているといい、競争力のある価格設定を目指すとしている。名称は「ひとときであっても、玉(宝物)のように素晴らしい時間を過ごして欲しい」という思いを込め、大和言葉を選んだという。
国内のビジネスジェット専用施設は、成田空港に首都圏初の専用ターミナル「プレミアゲート」が2012年3月31日にオープン。羽田にも2014年9月30日に開業した。
関西エアの山谷佳之社長は「関空にないほうがおかしいので、作ることにした」と述べた。玉響の新設に伴う、便数増の具体的な目標は定めていないとしながら、「末広がりで888便くらいは増えて欲しい。やってみて、うまくいけばビジネスとして考える」(山谷社長)と語った。
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関西国際空港
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