ボーイングが開発中の次世代大型機777X向けエンジン「GE9X」が、現地時間3月13日に初飛行した。開発元のGEアビエーションが保有するボーイング747型機の試験機(FTB=Flying Test Bed)に取り付けられ、最初の飛行試験を実施した。
GE9Xは、777の後継機となる777Xに搭載。777に搭載する「GE90」と比較し、燃費が10%向上。推力は10万ポンドで、ファンの直径は777-200LRと777-300ER、777F貨物機に搭載されるGE90-115Bの128インチ(約3.25メートル)を上回る134インチで、民間機用エンジンでは最大となる。第4世代となる複合材を用いたファンブレードと、ファンケースが採用された。
開発・製造には、日本の企業も参画。IHI(7013)は2014年7月に参画を発表し、低圧タービン部品などを担当する。2012年10月には、三井物産(8031)が戦略パートナーとして提携することで合意。仏サフランや独MTUアエロエンジンズなども参画する。
GE9Xの認証試験は、2017年5月に開始。これまでに着氷試験を終えており、現在は横風試験を行っている。747の試験機はエンジンが4基あり、このうち左から2番目の第2エンジンをGE9Xに換装した。型式証明の取得は、2019年を予定している。
777Xはメーカー標準座席数が3クラス350-375席の777-8と、400-425席の777-9の2機種で構成。航続距離は777-8が8700海里(1万6110キロ)、777-9は7600海里(1万4075キロ)を計画している。日本の製造分担割合は、777と同じ主要構造部位の約21%となる。777-9の初飛行は年末から2019年初めとなる見通しで、引き渡しは2020年初頭を計画している。
777Xの確定発注は326機。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として、2014年7月31日に777-9を20機確定発注。2021年度から受領する見通し。
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