日本航空(JAL/JL、9201)は2月15日、アウトドアスポーツ用品を製造・販売するモンベル(大阪市)と、地域活性化で連携する包括協定を締結した。今後、エコツーリズムなどによる地域経済の活性化などを、情報・意見交換しながら進める。
モンベルが各自治体と連携して展開する環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」や、トレッキングやカヤック、自転車など、人力での移動手段で自然を体感する旅「JAPAN ECO TRACK」に関連した旅行商品を、夏をめどに開発する。このほか、子どもたちの生きる力の育成や、防災意識と災害対応力の向上などでも協業する。
港区高輪のモンベル東京営業所で会見したJALの藤田直志副社長は、モンベルの地域密着型の活動は歴史があるとした上で、「連携することにより、1社で進めるよりも深みが出る」と述べた。これまでの地域活性化への取り組みでは、「その土地に暮らす人々が、豊かな生活を送れること」「個々の会社が、単独で地域活性化に取り組むには限界があること」の2点を学んだという。
モンベルの辰野勇会長は、JALとの協業について「JALには、(モンベルが)及びもつかないくらいの訴求力がある。期待していることは山のようにある」と述べ、「協議しながら1つずつ形にしていきたい」とした。今後、航空機に搭載できるサイズの自転車の企画・開発も視野に入れる。
藤田副社長によると、自転車運搬のニーズは高く、「どのようにコンパクトに搭載するかが課題」だという。
両社は期限を設けずに協業する。藤田副社長は「ビジネスモデルがあって、利益をどう折半するか、となると仲が悪くなる」とした上で、「ボランティアや“仲良し”だけだと締結は進まない。利益も大切だ」と笑いながら述べた。
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