エアライン, 機体, 空港 — 2018年1月26日 06:01 JST

ルフトハンザカーゴ、関空便再開で速達・大型貨物に照準

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 1月18日から関西空港発着の貨物便を再開したルフトハンザカーゴ(GEC/LH)は25日、大阪市内で会見し、関西圏で製造される電子部品などのエクスプレス(速達)貨物や、貨物機にしか搭載できない大型貨物などの需要を取り込んでいく姿勢を示した。

MD-11Fの模型とともに写真に収まるルフトハンザカーゴの(左から)フランク・ネーフェ・アジア太平洋地区担当副社長、アレクシス・フォン・ヘーンズブロッヒ商品・営業最高責任者、西日本地区統括の山本芳弘部長、東・中部日本地区シニアダイレクターのミヒャエル・フォアヴェルク日本代表=18年1月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
増便は様子見
月1000トン増
MD-11F退役未定

増便は様子見

ルフトハンザカーゴのヘーンズブロッヒ氏=18年1月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ルフトハンザカーゴの関空便は、2014年3月の運休以来約4年ぶり。日本を発着する国際貨物の需要増によるもので、関空発フランクフルト行きLH8391便は木曜と土曜に運航。機材は旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11F型貨物機を使用する。18日の初便は、約90トンの貨物を搭載し、午後11時36分に関空を出発した。

 関空便の運休後、旅客機の貨物室(ベリー)では対応できないサイズの貨物や危険物などは、ボーイング777F貨物機による成田発の貨物便を使用していた。関空便再開により、当日搬入の貨物は旅客便と比べてフランクフルト着が半日近く早まった。

 これにより、速達性が求められる電子部品などのエクスプレス貨物や、貨物機にしか搭載できない大型貨物や危険品、動物などの需要を取り込む。

 運航を再開した理由について、同社の商品・営業最高責任者アレクシス・フォン・ヘーンズブロッヒ氏は、「需要が非常に旺盛だ。東京の便数を増やすよりも、欧州への直行便が少ない関西に拠点を持ちたかった」と説明した。

 今後の増便など路線強化の見通しについては、「再開したばかりなので、様子を見て次のステップを考えたい」と述べるにとどめた。

 また、西日本地区統括の山本芳弘部長によると、今回の再開に対し、関空を運営する関西エアポートからは、着陸料の値引きなどのサポートがあったという。

月1000トン増

ルフトハンザ・カーゴのMD-11F(同社資料から)

 ルフトハンザカーゴは、MD-11Fを12機、777Fを5機運航。100カ国以上の300都市に就航している。このほかに、ドイツポスト傘下のDHLと合弁で設立した貨物航空会社アエロロジック(BOX/3S)が運航する777Fの貨物スペースも利用している。

 全日本空輸(ANA/NH)とは、航空貨物について共同事業(JV)を展開しており、ANAの貨物事業会社ANA Cargo(ANAカーゴ)と連携。関西圏のみならず、ANA便により中国や四国、九州、沖縄からの貨物輸送も拡大していく。

 ヘーンズブロッヒ氏は、「2017年の日欧間のシェアは当社とANAのJVが28%を占め、このうち19%が当社、9%がANAだ」と説明した。

 ルフトハンザカーゴの貨物便は、今回復活した週2便の関空発着便のほか、2017年10月29日開始の2017年冬ダイヤと今年3月25日に始まる2018年夏ダイヤでは、777Fによるフランクフルト-成田-ソウル(仁川)-フランクフルト線をデイリー運航している。

 貨物便に加え、旅客便の貨物室による輸送は、フランクフルト-羽田線、中部線、関西線、ミュンヘン-羽田線、グループのスイス インターナショナルエアラインズ(SWR/LX)のチューリッヒ-成田線、5月から再開するオーストリア航空(AUA/OS)のウィーン-成田線がある。

 貨物便の成田線は増便でデイリー化され、旅客便は中部線が2往復増便により週5往復となり、オーストリア航空の成田線は週5往復で再開する。ルフトハンザカーゴによると、貨物便と旅客便を合わせると、グループの日本路線の航空貨物取扱量は、今年は前年比で月1000トン増えるという。

 ルフトハンザカーゴの東・中部日本地区シニアダイレクターのミヒャエル・フォアヴェルク日本代表は、オーストリア航空の再開による取扱量の変化について、「週80トン増える」と語った。

MD-11F退役未定

ルフトハンザカーゴの777F=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機材面では、ルフトハンザカーゴは平均機齢が19年に達するMD-11Fを、777Fに順次置き換えていく。

 置き換え完了時期について、ヘーンズブロッヒ氏は「ルフトハンザグループでは、25年以上経過した機材は使わない。MD-11Fはあと5、6年で置き換えなければならないが、非常に大きな投資が必要だ」として、現時点では明確な時期は決まっていないという。

運航スケジュール
LH8390 フランクフルト(21:15)→関西(翌日18:30)運航日:水金
LH8391 関西(23:15)→フランクフルト(翌日05:30)運航日:木土

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