前編からのつづき。関西空港と伊丹空港は2016年に民営化され、4月から3年目に突入する。両空港を運営する関西エアポートは、オリックス(8591)と仏空港運営会社ヴァンシ・エアポートのコンソーシアム(企業連合)が2015年12月に設立。国に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で関西エアポートへ委託されており、契約期間は2015年12月15日から2060年3月31日までの44年間を予定している。
後編では、関西エアポートの山谷佳之社長に、4月に民営化する神戸空港をはじめとするコンセッション関連や、改修を進めている伊丹空港、通期決算の見通しを依然公表しない理由、関西エアポートをどういう企業にしていきたいかなどを中心に聞いた。
—記事の概要—
・長期で関西発展につなげる
・古すぎる伊丹
・民間企業は臨機応変に
長期で関西発展につなげる
── 神戸空港のコンセッションは、どのように進めていくのか。
山谷社長:1990年代のバブルの時に、関西のビジネスマンは東京へ移ったが、今の関西にはチャンスが出てきた。東京を見るのをやめて、アジアを見ようと。いままでと違い、アジアが成長してきたからこうしたことが言える。大阪はアジアに近く、人と人の距離が近い。
神戸の震災から20年がたったが、リニア新幹線が開通するのが20年後。20年の間に大阪を再構築すれば、リニア開業で懸念されるストロー現象で東京に吸い取られるのではなく、大阪に吸い戻すチャンスがそこにあると感じている。
そういうスパンの中で、関西3空港の運営一元化をやらせていただくチャンスをいただいたので、精いっぱいやる。1年や2年ではなく、(契約期間の)44年間というロングタームで、どういう風に活性化して関西経済の発展に結びつけるかというグランドデザインを考えていきたい。
開業からこれまで、しんどい思いをされてきた10年だったと思う。せっかくここまでやってきたのだから、もう少し時間を掛けた方がうまくいくのではないか。
最初の1年とか半年でどうにかするのではなく、20年間で勝負を考える。コンセッションはロングターム・コミットメントなので、まずは礎を作っていきたい。
── 関空や伊丹の民営化に対する自治体の反応は。
山谷社長:政治の世界は、何年に1度で選挙がある。選挙に
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