日本航空(JAL/JL、9201)は11月29日、国内最大級の顧客満足度調査「2017年度版JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」のうち、航空会社で構成される「国際航空」の顧客満足部門など4部門で第1位になったことを受け、授賞式を東京・天王洲の本社で開いた。今月7日に発表されたもので、顧客満足部門は2015年度以来、2年ぶりに首位を奪還した。
同調査は、非営利法人のシンクタンク・日本生産性本部サービス産業生産性協議会が実施。顧客満足度のほか、顧客期待(利用時の期待・予想)、知覚品質(利用した際の品質評価)、知覚価値(価格への納得感)、ロイヤルティ(継続的な利用意向)、推奨意向(他者への推奨)の6項目を設定し、各項目を7-10点満点の複数設問で調査する。
すべてが満点の場合を100点、すべて1点の場合は0点として、業界や企業を多面的に評価する。
JALが1位を獲得したのは、国際線の顧客満足と顧客期待、知覚品質、ロイヤルティの4部門。ロイヤルティは100点満点中75.7点で、5年連続1位を獲得した。顧客満足は78.5点、知覚品質は78.0点、顧客期待は全日本空輸(ANA/NH)と同点1位の77.8点だった。
顧客満足の2位はANAで78.1点だった。3位はシンガポール航空(SIA/SQ)で76.7点、4位はキャセイパシフィック航空(CPA/CX)で71.1点、5位はタイ国際航空(THA/TG)で69.0点と続いた。このほかの項目別では、知覚価値の1位はシンガポール航空(75.1点)、推奨意向の1位はANA(73.7点)だった。
調査対象となったのは、5社のほかはアシアナ航空(AAR/OZ)、大韓航空(KAL/KE)、デルタ航空(DAL/DL)、ユナイテッド航空(UAL/UA)の計9社。調査期間は8月16日から9月15日までで、インターネット・モニターを用いた調査が行われた。回答依頼は1人1企業・ブランドで、総回答者数2万815人が回答した。
JALは2020年度までの中期経営計画で、顧客満足の向上を目標のひとつに掲げており、今回は首位を奪還した。
一方、国内線には課題が残る。国内の航空会社と新幹線で構成される国内の顧客満足度を示す「国内長距離交通」は、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が8年連続で1位を獲得。この中で航空会社に絞ると、2009年実施の第1回調査から9年連続1位で、国内線首位はスターフライヤーの指定席となっており、JALは国内線の顧客満足向上が課題だ(関連記事)。
協議会の野沢清部長は、「定時性や座席、ウェブサイト、従業員のサービスなどが高く評価された」と分析。JALの商品・サービス企画本部業務部の黒田浩部長は、「国際線の定時性やエコノミークラスが評価されたが、国内線は国際線と同様の評価をいただけていない」と述べた。
関連リンク
日本航空
サービス産業生産性協議会
・JAL、顧客満足部門で2年ぶり1位 JCSI国際航空部門、継続利用は5年連続(17年11月7日)
・スターフライヤー、9年連続で顧客満足度No.1 JCSI、国内航空部門(17年11月7日)