国土交通省航空局(JCAB)は、11月24日夜に新千歳空港などの空域を管轄する札幌航空交通管制部で起きた通信障害について、通信施設に電源を供給する装置に不具合が発生したことが原因だったと25日に発表した。
JCABによると、24日午後7時47分に、札幌管制部の管制官と同管制部の管轄空域を飛行する航空機との間で音声通信を行うための通信施設「対空通信施設」に障害が発生。管制官とパイロットが音声でやり取りできない状態となり、午後9時20分に復旧した。
障害の原因は、対空通信施設に電源を供給する、バックアップ機能を持つ電源供給装置の不具合だった。この不具合により、通信施設に電源が供給されなくなったため、不具合が発生した装置を迂回(うかい)する電源経路に切り替えて復旧させた。
札幌管制部が管轄する空港は、北海道・東北地方の17空港。新千歳、丘珠、稚内、利尻、紋別、女満別、中標津、釧路、旭川、帯広、奥尻、函館、青森、三沢、大館能代、秋田、花巻の各空港が管轄空域となる。
この通信障害により、全日本空輸(ANA/NH)の羽田を午後7時に出発し、新千歳に午後8時35分着予定だったNH77便や、日本航空(JAL/JL、9201)の新千歳午後6時40分発の秋田行きJL2827便など国内の各社合わせて34便が欠航。26便に遅れが出た。また、機材繰りの関係で、25日も一部便に欠航が生じた。
JCABでは再発防止策を講じるほか、東京と福岡、那覇の各航空交通管制部の対空通信施設の電源供給装置についても、緊急点検を実施。装置の構成が異なり、問題がないことを確認したという。
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