シンガポール航空(SIA/SQ)が12月から変更する、エアバスA380型機の座席レイアウト。個室タイプの「スイート」にフルフラットベッドを導入するなど、大幅なリニューアルを計画している。4年をかけて開発したもので、全19機に導入し、およそ8億5000万米ドル(約963億8200万円)を投資する。
新しいレイアウトは4クラス471席で、スイート6席、ビジネス78席、プレミアムエコノミー44席、エコノミー343席。スイートは現在の12席から6席に減少し、プレミアムエコノミーは36席から44席に増加させる。これまでメインデッキ(1階席)前方にあったスイートを、アッパーデッキ(2階席)に移動。メインデッキはプレミアムエコノミーとエコノミー、アッパーデッキはスイートのほかビジネスを設置する。
発注済みの5機に導入し、保有する14機で改修する。発注済みの5機のうち、1機目を12月に受領。14機への改修は2018年後半から開始し、2020年までに終了する。
それぞれ4クラスは12月以降、どのようになるのか。クラス別に見ていこう。
*初報はこちら。
*17年12月13日に初号機を受領しました(こちら)。
—記事の概要—
・スイート
・ビジネス
・プレミアムエコノミー
・エコノミー
・改修前のシート数
スイート
個室タイプのスイートは横2席の1-1配列で、アッパーデッキに6席設定。座席のほか、独立したフルフラットベッドを備えた。座席幅は21インチ(53.34センチ)で、回転式のものを採用した。ベッドは76×27インチ。
デザインはフランスのピエールジャン・デザイン・スタジオが手がけ、ゾディアック・シート・UKが製造した。座席にはイタリアの家具メーカー、ポルトローナ・フラウ製の皮を使用した。
個人用モニターは32インチ。電源コンセントと充電用USB端子も備える。
ビジネス
ビジネスクラスは横4席の1-2-1配列で、アッパーデッキに78席設定。全席通路アクセスが可能となっている。シートピッチは50インチ、座席幅は25インチで、78×34インチのフルフラットベッドにもなる。
デザインは英国のJPAデザイン社が手掛け、ジャムコ(7408)が製造。スイート同様、ポルトローナ・フラウ製の皮を使用した。
個人用モニターは18インチ。電源コンセントと充電用USB端子も備える。
プレミアムエコノミー
プレミアムエコノミークラスは横8席の2-4-2配列で、メインデッキに44席設定する。シートピッチは38インチ、座席幅は19.5インチ。デザインはJPAデザイン社が手がけ、独ZIMが製造した。
個人用モニターは13.3インチ。電源コンセントと充電用USB端子も備える。
エコノミー
エコノミークラスは横10席の3-4-3配列で、メインデッキに343席設定する。シートピッチは32インチ、座席幅は18.5インチ。独レカロがデザインし、製造した。
個人用モニターは11.1インチ。電源コンセントと充電用USB端子も備える。
改修前のシート数
シンガポール航空のA380は、改修前は441席(スイート12席、ビジネス60席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー333席)と379席(スイート12席、ビジネス86席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー245席)を設定。現在、ロンドンやパリ、ニューヨーク、北京など13路線で運航している。
関連リンク
シンガポール航空
・シンガポール航空、A380の機内刷新 スイート減、プレエコ増(17年11月6日)