日本航空(JAL/JL、9201)と日本電気(NEC、6701)は、航空券予約サイトのアクセスログなどから航空券の購入時に予測分析する実証実験を、9月から11月に展開した。AI(人工知能)がデータを解析することで、顧客の購買行動などを短時間で把握できるようになる。
データ解析にはNECの「予測分析自動化技術」を活用。JALのマイルサービス「JALマイレージバンク(JMB)」会員が予約サイトで、どのように行動しているかを、分析に有効なデータ項目である「特徴量」の推測と、「予測モデル」を自動構築できるかを実証実験した。
実証実験の結果、ページ閲覧行動やクレジットカードの利用回数など、特徴的な顧客行動「特徴量」を数時間で発見できた。予測モデルの自動構築では、データを分析するデータサイエンティストが設計したものと同程度の精度を得ることができたという。
航空券を購入した会員が、どのページにどのくらいの時間滞在したか、どのようなページを閲覧したのかを、AIが短時間で把握。従来はデータサイエンティストが人力で分析していた。AIを活用することで、経験の浅いデータサイエンティストでも分析できるようになる。
予測分析自動化技術を活用することで、機体整備などのデータからも特徴量を自動で設計・発見できる可能性がある。JALはマーケティング以外の業務でも、予測モデルの高速化を期待する。
JAL現在、マーケティングなどでのデータ分析にAIを活用している。一方で、膨大なデータ量の活用方法や、高度な分析スキルと持つデータサイエンティストの確保などが課題となっている。
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