デルタ航空(DAL/DL)は10月30日、「ジャンボ」の愛称で親しまれているボーイング747-400型機の日本路線での運航を終了した。最終便となったのはデトロイト-成田線の成田発デトロイト行きDL276便(747-400、登録番号N669US)で、翌日からはエアバスA350-900型機に変更する。成田で747-400の旅客型を定期運航しているのはデルタ航空のみで、30日の運航終了により、成田からジャンボが姿を消した。
退役時の座席数は、3クラス376席(ビジネス48席、エコノミーコンフォート42席、エコノミー286席)。エンジンはプラット&ホイットニー製PW4000シリーズのPW4056(推力5万6000ポンド)を4基搭載する。同路線は31日からはA350-900(3クラス306席:ビジネス32席、プレミアムエコノミー48席、エコノミー226席)で運航する。
747は、燃油費の高騰や飛行機の技術的な進歩により、世界的に退役が進んでいる。日本では、全日本空輸(ANA/NH)が2014年3月31日に運航した那覇発羽田行きNH126便を最後に、旅客型が全機退役。現在日本国内で運航されている747は、政府専用機と日本貨物航空(NCA/KZ)の貨物型のみ。
また海外の航空各社も、日本路線への投入を相次いで終了させている。今年6月には ユナイテッド航空(UAL/UA)がサンフランシスコ-成田線での運航を終了。夏ダイヤが終了する10月28日には、台湾のチャイナエアライン(中華航空、CAL/CI)が台北(桃園)-成田線での運航を終了している。
デルタは747-400などの後継として、A350-900を2014年11月に25機発注。初号機(N501DN、機体番号3501)は7月13日に受領した。世界で初めてビジネスクラスにスライド式ドアを設け、個室空間を用意する。1路線目はデトロイト-成田線で、現地時間10月30日のデトロイト発便が初便となる。
デルタ航空の747-400
・デルタ航空、747-400初号機公開 アトランタの航空博物館(17年3月29日)
・デルタ航空の747-400初号機が退役 博物館展示へ(15年9月10日)
・デルタ航空の747、17年までに退役へ(14年10月21日)
翌日からはA350
・デルタ航空、成田でA350公開 ドア付き個室ビジネス、10月就航へ(17年9月14日)
・デルタ航空のA350初号機、アトランタ到着 10月から成田就航(17年8月9日)
・デルタ航空、A350初受領 10月から成田-デトロイト、ビジネスはドア付き個室(17年7月14日)
各社で退役が進む747
・ガルーダ・インドネシア航空、747-400退役 23年間に幕(17年10月11日)
・ユナイテッド航空の747、11月退役 最終便はサンフランシスコ発ホノルル行き(17年9月19日)
・エバー航空、747旅客型退役へ 21日に最終便(17年8月9日)
・キャセイパシフィック航空の退役747-400、社員乗せチャリティーフライト(16年10月8日)
・キャセイパシフィック航空、羽田からジャンボ最終便出発 747-400退役(16年10月1日)
・KLMオランダ航空、成田からジャンボ最終便 翼振り日本に別れ(16年9月3日)
・エールフランスの747、14日退役(16年1月8日)
・カンタス航空、787-9を17年導入 747置き換え(15年8月21日)
・カンタスの747、ラストフライト動画公開 飛行時間15分弱(15年3月9日)
・ANA最後のジャンボ、JA8961離日 747姿消す(14年4月16日)
現役で活躍する747
・ブリティッシュ・エア、747の改修完了 全18機(16年8月5日)
・政府専用機、安倍首相乗せ欧州歴訪へ(16年5月1日)
・カンタス航空、羽田にシドニー初便到着 747で毎日運航(15年8月1日)
・最新ジャンボ、日本初就航 写真特集・羽田に現れたルフトハンザ747-8(14年10月28日)