国土交通省航空局(JCAB)は、国が運営する広島空港の民営化に向けた投資意向調査を開始した。関心のある企業からの意見を、11月30日まで募集する。2021年4月をめどに民間の運営に移行する。
民間による運営期間は30年間で、不可抗力での延長なども含め最長で35年間とする。運営権者は滑走路やターミナルビルなどを一体的に運営する。
2018年10月をめどに実施方針を策定し公表。2019年2月には募集要項を公表し、同年5月に優先交渉権者を選定する。
現在は空港施設は国が、ターミナルビルは県や全日本空輸(ANA/NH)、日本航空(JAL/JL、9201)などが出資する広島空港ビルディングが、駐車場は空港環境整備協会や県が運営している。
現在の広島空港は1993年、これまでの広島空港(現・広島ヘリポート)から移転して供用を開始。滑走路は2500メートルで、2001年に3000メートルに延伸している。
現在、国内線は5空港から1日25往復、国際線は7空港から週39往復を乗り入れている。10月30日からは、シルクエアー(SLK/MI)がシンガポールから週3往復運航する。
2016年度の利用実績は、国内線が257万人、国際線が28万人。貨物は国内線1万8177トン、国際線289トンを取り扱った。
民営化の問題点
・空港民営化でサービス低下の皮肉(日経ビジネスオンライン連載、17年8月31日)
16年度収支、広島は黒字
・国管理空港の収支、羽田が2年連続黒字 16年度、深夜早朝帯の便増で(17年8月30日)
広島空港関連
・エア・ドゥ、広島10月撤退 ANA便復活(17年8月23日)
・シルクエアー、広島10月就航 シンガポールから週3往復、初の定期便(17年6月2日)
・広島空港、ILSの新アンテナ公開 5カ月ぶり復旧へ(15年9月15日)
仙台空港は民営化1周年
・仙台空港、民営化1周年 岩井社長「闇鍋が少し見えるようになる」(17年7月3日)
・スカイマーク、仙台復活 神戸へ1日2往復、撤退路線初の再開(17年7月1日)
・ピーチ、9月に仙台拠点化 札幌・台北に新路線(17年5月17日)
・ジェイエア、仙台にE190就航 全便導入へ(16年7月2日)
福岡・高松・熊本・北海道7空港も民営化へ
・福岡空港の民営化、二次審査に3グループ(17年9月19日)
・国交省、高松空港の評価公表 6団体参加、「計画」と「方針」審査(17年8月16日)
・高松空港の民営化、三菱地所連合が基本協定締結(17年8月14日)
・北海道7空港、20年度民営化へ 市場調査開始(17年8月1日)
・熊本空港、20年4月民営化へ 復興の象徴、市場調査開始(17年7月3日)