ブラジルのリージョナルジェット機大手のエンブラエルは、米国のスカイウェスト航空(SKW/OO)がエンブラエル175(E175)を20機確定発注したと、現地時間10月2日に発表した。スカイウェストは、9月6日にもE175を25機確定発注しており、合わせて45機になった。
10月発注分20機のうち、15機は70席仕様の「E175SC(Special Configuration)」と呼ばれる機体で、受領後に76席仕様に改修することもできる。また、スカイウェストが過去に発注した76席仕様の機体を、5機受領する見通し。
スカイウェストは、デルタ航空(DAL/DL)とリージョナル路線を運航するパートナーシップ契約を締結している。2015年にスカイウェストが発注したE175は76席仕様で、内訳はファーストクラスが12席、足元が広い「デルタ・コンフォート」が20席、エコノミークラスが44席だった。
また、9月発注分の25機は、15機が70席仕様のE175SCで、残り10機が76席仕様のE175。25機は、2018年に全機が引き渡される予定になっている。
E175をはじめとするエンブラエルの「Eジェット」は4機種で構成。メーカー標準座席数は、E170が1クラス72席から78席(2クラスでは66席)、E175が1クラス78席から88席(同76席)、E190が1クラス100席から114席(同96席)、E195が1クラス116席から124席(同100席)となっている。
エンブラエルによると、E175は2013年1月以来、360機以上を北米の航空会社へ販売。76席クラスのリージョナルジェット機では、全受注の80%以上のシェアを獲得しているという。
また、エンブラエルはEジェットの後継機として、「E2シリーズ」の開発を進めている。三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用した次世代機で、2016年5月に初飛行し、2018年の納入開始を目指すE190-E2、2019年納入開始のE195-E2、2021年に引き渡しを始めるE175-E2の3機種を展開している。
一方、スカイウェストはMRJを200機契約しており、このうち確定発注が100機で、同一条件で追加発注できる「オプション」が100機。MRJはメーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種構成で、MRJ90の納期は当初の2013年から5回延期され、2020年半ばとなる見通し。
45機にのぼるE175の追加発注は、MRJの納入遅延も影響しているとみられる。
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Embraer
SkyWest Airlines
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