エアライン, 空港 — 2017年9月25日 23:57 JST

気温35度で予選会　JALグラハンコンテスト那覇代表に吉川さん

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　最繁忙期の夏が過ぎ、秋の訪れとともに「グランドハンドリングコンテスト」の季節がやってきた。日本航空（JAL/JL、9201）が毎年秋に開くコンテストで、国内の各空港で貨物・手荷物の搬送や、航空機への搭降載を担当するグランドハンドリングスタッフ（グラハン）が技量を競う。今年は10月25日と26日に、羽田で本選が開かれる。

那覇空港で開かれたJALグラハンコンテストの予選でTT車を運転する吉川さん＝17年9月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　羽田の本選をめざし、各地の空港では代表者を選ぶ予選会が開かれている。9月21日には、那覇地区の予選会が開かれ、JALグループ便のグラハンを担うJALスカイエアポート沖縄のスタッフが代表の座を競い、11人の出場者の中から入社9年目の吉川寿（ひさし）さんが選ばれた。

　予選会は、航空貨物用コンテナを積む「パレットドーリー」をトーイングトラクター（TT車）で牽引する「TT車部門」と、ペットを運ぶケージをロープで台座に固定する「タイダウン部門」の2部門で構成。特にTT車の運転技術を重視する形で選考が行われ、出場者が2分台のタイムで運転する中、唯一1分台を叩きだし、安定した走りを見せた吉川さんが選出された。

　TT車部門では、名前を呼ばれるとTT車やドーリー、結合部を指差確認して、コーンで作られたコースを前進・後退しながら進んでいった。スピードだけではなく、安全確認や周囲への配慮なども評価された。

　吉川さんはタイムだけではなく、蛇行の少なさなど全体的な運転技術の高さが評価された。

　JALスカイエアポート沖縄の執行役員でランプ統括の城間茂朋さんは、「タイダウンは1カ月練習すれば上達しますが、TT車の運転はそうはいかない。センスですね」と、TT車の運転技術を重視した選考をした理由をこう説明した。

　タイダウン部門では、長いロープを使い、ケージを台座に固定する技術を競った。「動かないように固定するだけではなく、到着地の仲間がほどきやすいことも重要です」と、到着地のことも考えた仕事の仕方を求めていた。

　那覇地区代表に選ばれた吉川さんは、「TT車は、ちょっとハンドルを切るのが甘かった部分もありました。タイダウンはひもが引っかかってロスタイムがありました」と話し、本選に向けて練習する意欲を示した。

　本選の競技項目は事前に知らされないため、タイダウンが課題になる保証はなく、代表者はあらゆる課題に対応できるようにしなければならない。

　今回出場した中で、紅一点だった入社4年目の国吉一葉さんは、多くの同僚が見守る中でTT車を運転したことについて、「とっても緊張しました。練習時間があまりなかったのでもっと練習したかったです」と話し、来年も出場したいという。

　予選会が開かれたお昼過ぎの那覇空港の気温は、約31度。照り返しの強いランプの気温を測ると、35度を指していた。

　夏を過ぎてもまだまだ暑い沖縄。多くのグラハンマンが、日々1便ずつ飛行機を送り出している。

那覇空港で開かれたJALグラハンコンテストの予選で那覇地区代表に選ばれた吉川さん＝17年9月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire