日本航空(JAL/JL、9201)は9月2日、韓国の釜山(プサン)に就航して50周年を迎えた。1日は釜山市内で記念式典が開かれ、両国の政府・航空関係者や初便に搭乗した乗客らが招かれた。
JALの釜山路線は現在、成田線が1日2往復で機材はボーイング737-800型機(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)。1967年9月2日に、1路線目となる福岡ー釜山線がダグラスDC-6B型機で就航した。
同年11月22日からは、韓国人客室乗務員による韓国路線乗務がスタート。1969年4月1日からは、日本国内航空(当時)の機材や乗員を借り受ける形で機材が日本航空機製造YS-11A型機となり、伊丹から福岡経由の路線になった。
1971年4月2日からは、伊丹ー釜山線がボーイング727型機で就航。1979年7月2日に成田ー釜山線がダグラスDC-8-62型機で、1991年4月26日に名古屋ー釜山線がボーイング767型機で、それぞれ開設された。1994年6月1日に「J-Bird」の愛称を持つマクドネル・ダグラスMD-11型機が国際線に就航すると、初便は成田発釜山行きが選ばれ、「タンチョウ号」(登録番号JA8582)が投入された。
JALの植木義晴社長は、「私たちが『デイリー・バリュー・スコア』と呼んでいるお客様アンケートで、釜山は日本の主要空港よりも優れた評価をいただいており、国際線が就航する41空港の中でも、常にトップ3に入る実力がある。韓国のお客様にも十分満足していただけるのではないか」と、釜山空港のサービス品質の高さを紹介した。
「成田と毎日2便運航しているのは、日本の航空会社でJALが唯一。日本との間はLCCとの競争が一掃激しくなっている。サービス品質を向上し、フルサービスキャリアとして差別化を図る」(植木社長)と語った。
初便の乗客として式典に招待された李敏子(イ・ミンジャ)さんは、民団(在日本大韓民国民団)の団長を務められていた父親に連れられ、墓参りのために乗ったという。「何もない原っぱに降りたち、何時間もかけてお墓参りに行ったことを覚えている」とあいさつした。李さんによると、父親は何でも一番が大好きで、福岡まで車で行って2人で初便に乗ったという。
式典では、JAL釜山支店の歴史をまとめた動画が放映されたほか、歴代客室乗務員の制服が披露された。森英恵さんがデザインした就航当時の4代目(1967年3月から1970年6月)と5代目(1970年7月から1977年9月)、6代目(1977年10月から1987年12月)、一般公募の7代目(1988年1月から1996年9月)、先代の9代目(2004年4月から2013年5月)を釜山空港の地上係員が着用し、歴史を振り返った。
*植木社長に聞く韓国路線の戦略はこちら。
*写真は14枚。
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日本航空
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