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中部空港（セントレア）を運営する中部国際空港会社は、2027年に開業が計画されているリニア中央新幹線の東京－名古屋間開業や、国内外での空港間競争の激化といった環境変化に対応していくための指針「ビジョン2027」を策定した。
中部空港は2005年2月17日に開港。10周年を迎えた2015年2月には、「第2の開港期」と位置づけ、この年の6月に4代目の社長として友添雅直氏が就任した。
中部では、開港時に充実した商業施設が話題となったほか、滑走路の間近で飛行機の離着陸を見学できるツアーなど、飛行機に乗る人だけではなく、これまでとは違った形で空港需要を創出してきた。
中部空港の「ビジョン2027」を発表する中部空港会社の友添社長（前列左）と策定メンバー＝17年7月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・運営会社から活用会社へ
・二次交通は生命線
運営会社から活用会社へ
ビジョン2027を発表する中部空港会社の友添社長＝17年7月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
7月28日に発表したビジョン2027は、2016年4月に検討開始。グループ会社を含む社内のさまざまな部署から選ばれた、35歳から45歳までの中堅社員15人が中心となり、策定した。
ビジョンを理解する上で、「空港としての基本を徹底的に追求する」「空港の枠を超えて進化する」「国内外とつながる理想のサイズの国際空港」「人や企業は世界とつながることでチャンスが広がる」「セントレアの周辺は潜在力にあふれた人や企業の宝庫」「空港運営会社から空港活用会社へ」「新しいコトに取り組み、心躍るチャレンジを続ける」と、7つのポイントを設けた。
友添社長は「経営側の一方的なビジョンではなく、全員が腹落ちした形じゃないといけない。これからバトンを受ける人が、自ら会社の将来を考えるようにした。ビジョンをベースに、空港だけではなく会社や個人も成長していくものにしたい」と、狙いを明かす。
中部空港に開業予定のペットホテルのイメージ（中部空港会社提供）
直近では中部空港は、2018年夏に、ボーイング787-8型機の飛行試験初号機（ZA001、登録番号N787BA）を展示する複合商業施設「Flight of Dreams（フライト・オブ・ドリームス）」を開業予定。2019年度上期には、LCCターミナルを開業させる。
また、空港活用会社に向けた取り組みとして、今冬にペットホテル「セントレア スカイペットホテル」を空港内に開業予定。47室で、イヌとネコを対象にする。
二次交通は生命線
友添社長は、2027年をターゲットに据えた点について、「リニア開業で全部東京に持って行かれるのではないかという心配もある」と本音をのぞかせる。
中部空港のリムジンバス。二次交通の整備も空港を成長させていく上で不可欠だ＝17年4月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
注力していく国際線としては「アジアの中で最重要は中国路線で、韓国・台湾の3地域を延ばしていきたい。併走する形で、ベトナムやタイ、シンガポール、香港だ。残されているのがインドネシアとマレーシアで、継続してしつこいくらいがんばりたい」と語った。
また、航空会社が空港に対して要望することが多い、空港と都市を結ぶ二次交通の充実については、「二次交通は生命線で、タイムリーに都市部へ行けることは重要。リムジンバスを増便した。ストレスフリーにいろいろなところとつなげる観点で進めている」と述べた。
「名古屋からは遠方に高速バスも出ており、中国地方や東北にも行ける。そこをつなげれば魅力が出るのではないか。日本の真ん中に位置する中部に来れば、いろんな所に行ける」とアピールした。
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