日本航空(JAL/JL、9201)の植木義晴社長は7月12日、エアバスA350 XWB以外の大型機について、導入する意向がないことを明言した。
現在の大型機はボーイング777型機で、2019年度からはA350に置き換えが始まる。植木社長は「(2010年の)破綻前は7機種を導入していた。現在は4機種に集約している」と説明。「機種を多く持つことが、効率的にいちばん落ちる」とし、大型機と中型機、小型機をそれぞれ1機種ずつに絞ることが理想とする認識を示した。中型機は767と787の2機種で、小型機は737を運航している。
JALは2013年10月7日、A350を最大56機導入すると発表。2019年度から6年程度で、777を置き換える。確定発注は標準型のA350-900が18機、長胴型のA350-1000が13機の計31機で、このほかにオプションで25機を購入する契約を締結した。オプション分は、正式発注時に2機種のどちらかを選択できる。
メーカー標準座席数は、A350-900が3クラス325席で、胴体を延長したA350-1000は同366席。植木社長はA350以外の大型機について、「ほかの大型機を入れる予定はない」と述べ、総2階建てのA380(4クラス544席)や777-9(400-425席)などを導入しない意向を示した。
また、JALグループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)が運航するリージョナル機は、2016年5月から運航しているエンブラエル190(E190、2クラス95席:クラスJ 15席、普通席80席)が、グループの機材でもっとも大きい。
植木社長は「リージョナルもE190まで。その後(21年から受領開始予定)のMRJを期待している」と述べ、エンブラエルが2019年前半から納入予定のE195-E2(1クラス132席)など、E190より大型の機材は導入しないとした。
JALは12日、羽田-ロンドン線の深夜便による増便を発表。羽田発を午前2時45分、ロンドン着を午前6時25分に設定した。羽田やヒースローは発着枠の空きがなく、昼間帯の増便が難しい。発着枠に制約がある場合、機材を大型化することで提供座席数を増やす方法があるが、JALはこの手法を取らず、多頻度運航による利便性向上や、高いロードファクター(座席利用率)を維持することで、供給過多による値崩れを防ぐ狙いがあるとみられる。
*A350-1000試験機の機内特集はこちら(JAL機とは異なります)。
A350-1000試験機の機内
・A350-1000試験機の機内と飛行展示 写真特集・パリ航空ショー2017(2)(17年7月13日)
JAL機材
・「営業利益率10%維持し成長を」JAL大西会長に聞く新路線・新機材計画(17年6月27日)
・JAL、国内線からA350導入 19年度から777置き換え(17年4月28日)
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)
・ジェイエアのE190、初号機が伊丹到着 国内初導入(16年4月24日)
パリ航空ショー
・パリ航空ショー、ボーイングがエアバス下す エンブラエルはイヌワシE195-E2でアピール(17年6月23日)
・MRJ、パリ航空ショー初出展終え離陸(17年6月22日)
・エアバス、A380plus開発調査 大型ウイングレット装着、燃費4%減(17年6月20日)