世界最大規模の航空ショーで2年に一度開かれるパリ航空ショー。第52回を迎えた今回、ミネベアミツミ(6479)は経営統合後初の出展となり、航空宇宙向けベアリングのほか、乗客のシートベルトの装着状態を客室乗務員が手元のタブレット端末で確認できるバッテリーレス無線スイッチなど、開発中の製品も参考出品した。
ベアリングなどの機械加工品やモーター、センサーなどの電子機器を手掛けるミネベアは今年1月27日に、電子部品メーカーのミツミ電機を完全子会社化し、経営統合を実施。社名をミネベアミツミに変更した。
参考出品した開発中の製品は2つ。乗客のシートベルト装着状態を、客室乗務員が手元のタブレット端末で集中監視できる、バッテリーレスの無線スイッチ搭載シートベルトを出展。また、機内のラバトリー(化粧室)にあるゴミ入れのフタを触れることなく開閉できる、近接センサーと小型モーター動力機構による自動開閉機構を展示した。
無線スイッチ搭載シートベルトは、バッテリーレスである点がポイント。大型機になれば500席クラスの機体もある中、仮に実用化してもバッテリーがあると、管理が難しい。センサー内の部品の動きで電気を生み出すバッテリーレスであれば、実用化も視野に入る。
ミネベアミツミの担当者によると、無線でデータを飛ばせる距離など、アンテナ周りの改良をはじめとする検討課題はあるという。今回出品したものは、シートベルトのバックルの動作だけを感知するもののため、客室乗務員が目視でベルトの着用状態を確認する際、補助的に使うことを想定していた。
ゴミ入れのフタを自動開閉する機構も含め、参考出品した技術デモをたたき台に、より実用的な使い方や製品を検討していきたいという。
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International Paris Air Show
ミネベアミツミ
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