エアバスは現地時間6月18日、A380の改良版「A380plus」の開発調査を発表した。世界最大規模の航空ショー「第52回パリ航空ショー」初日の19日は、コンセプトモデルが公開された。大型ウイングレットなどを装備し、燃料消費量を最大4%抑えるほか、客室内の改良と合わせると、現行機と比較し、1席あたりのコストを13%削減できるようになる。
装着するウイングレットは高さ4.7メートルで、上向きのアップレットは3.5メートル、下向きのダウンレットは1.2メートル。空気抵抗を減少する設計を施した。
今年4月、独ハンブルク開催された「エアクラフト・インテリアズ・エキスポ2017」で発表したA380向けの新客室オプション「キャビン・イネーブラー」では、最大78席を追加できるようにする。
同オプションでは、階段の設計変更やクルーレスト(乗務員休憩室)の配置見直しなどにより、1列9席のプレミアムエコノミーや1列11席のエコノミーを追加する。現在のA380、標準座席数は4クラス497席。キャビン・イネーブラーを導入すると575席に増加できる。
また、最大離陸重量(MTOW)を578トンに増加。航続距離を300海里(555.6キロ)延長できる。最大78席を増席した場合、現在の航続距離8200海里となる。
パリ航空ショーの初日となった19日は、A380の飛行試験機MSN4(登録番号F-WWDD)に大型ウイングレットのモックアップを装着した、A380plusのコンセプトモデルを公開。MSN4は、パリ航空ショーが開かれているル・ブルジェ空港にある航空宇宙博物館に、エアバスから今年2月に寄贈された。
会場の担当者によると、A380plusの開発が決まった場合、2019年に初飛行し、2020年の引き渡し開始を計画しているという。
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