6月18日午後10時すぎ、バニラエア(VNL/JW)の香港発成田行きJW304便(エアバスA320型機、登録番号JA07VA)の乗客のうち、一部の利用者が入国手続きをしない状態で入国した。成田空港到着時のバス誤誘導によるもの。バニラエアの五島勝也社長は19日、国土交通省航空局(JCAB)の佐藤善信局長から厳重注意を受けた。23日までに再発防止策を提出する。
*再発防止策の記事はこちら。
—記事の概要—
・バス3台中1台が誤誘導
・前回は16年4月発生
バス3台中1台が誤誘導
手続きしないで入国したのはJW304便の利用者168人(ほか幼児0人)のうち34人。このうち10人(日本人9人、米国人1人)は19日午後5時現在、手続きを完了せず、成田空港を立ち去っている。10人とは19日午後5時過ぎに連絡が取れた。バニラエアは立ち去った10人に対し、空港に戻り入国審査の通過を求めている。
JW304便は香港を午後5時6分に出発し、成田には午後10時13分に到着。到着後、利用客は構内を走るランプバスで国際線バスゲートに向かった。ランプバスは東京空港交通が運行している。
通常、国際線の利用者は1階の国際線バスゲートに到着する。その後、2階の入国審査場に移動し、1階の国際線専用の手荷物引渡場と税関を通過し、一般エリアに入る。一方、国内線利用者は1階の国内線バスゲートに到着。国内線専用の手荷物引渡場を通過して、一般エリアに入る。
JW304便利用者のバス3台のうち、最後の1台が国際線搭乗口ではなく、国内線搭乗口に到着。乗客は国内線専用の手荷物引渡場を通過し、一般エリアに出た。このうち数人が、ターミナル2階にある成田国際空港会社(NAA)のインフォメーションカウンターに対し、入国審査場を通過していないことを申告。バニラエアは午後10時30分すぎ、NAAから連絡を受けたことで発覚した。
現在までに手続きが済んでいない10人以外の乗客24人は国内線到着バスゲートに戻り、バスで国際線バスゲートに引き返した。その後、入国審査を受け一般エリアに入った。
両社の同様のトラブルは、2016年4月にも発生している。バニラエアの五島社長は2回目となった今回のトラブルについて「重く責任を感じている。空港会社も交えて、再発防止策を検討したい」と陳謝した。東京空港交通の増井健人社長は「再発防止策を考えていきたい」と述べた。
増井社長によると、当該バスを運転していたのは63歳の男性運転手で、当日は国内線輸送を連続して担当。社内での聞き取り調査で運転手は「国内線と勘違いした」と話したという。東京空港交通では、国内線は「LCCドメス」、国際線は「LCCインター」と呼称し区別している。
前回は16年4月発生
前回は2016年4月17日、台北発成田行きJW104で発生。当日の成田空港は強風が発生し、同便は中部空港(セントレア)へ目的地変更(ダイバート)した。成田着後、バス3台すべてが国内線バスゲートに誤誘導。一時、乗客159人が入国手続きをしない状態で入国し、うち109人は入国審査を直ちに受け直した。
同月22日、バニラエアは国土交通省航空局(JCAB)に再発防止策を提出。電話のみだった配車連絡を、ファクスを送信するように改めた。
関連リンク
バニラエア
国土交通省
東京空港交通
成田空港第3ターミナル
入国管理局
・国交省、バニラエアに業務改善勧告 成田の入管未通過入国で(17年6月27日)
・バニラエア、バス誤誘導で再発防止策 成田で入管未通過(17年6月24日)
・バニラエアの入管未通過入国、バス会社が誤認 国交省に再発防止策(16年4月23日)
・国交省、バニラエアに厳重注意 入管未通過の入国で(16年4月20日)
・台北からの乗客50人、審査通過せず入国 バニラエア、成田着便で(16年4月18日)