エアバスは、大型機A350 XWBの長胴型となるA350-1000型機で初となる長距離飛行を、現地時間5月11日に実施した。仏トゥールーズを離陸し、12時間飛行した。
長距離の飛行試験に投入したのは飛行試験2号機(MSN065、登録番号F-WLXV)で、エアバスの飛行テストクルー10人と、A350-1000を発注しているヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)の客室乗務員13人を含む、エアバス従業員ら310人が搭乗。空調や照明、防音環境、機内エンターテインメント(IFE)、ギャレー、電気システム、ラバトリー、排水システムなどを確認した。
A350-1000はエアバスの双発旅客機では最大の機種。エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を2基搭載している。胴体を延長したことで、標準型のA350-900よりも乗客を40人以上多く乗せることできる。主脚のタイヤは、従来の1脚あたり4本から同6本に増やした。
エアバスでは、派生型のA350-1000は量産初号機の引き渡し開始まで、より短期間での到達を見込む。3機の飛行試験機を使って約1年間の試験を実施し、2017年末までの商業飛行開始を目指す。
初号機(登録番号F-WMIL)は2016年11月に、3号機(F-WWXL)は今年1月に、2号機(F-WLXV)は2月に初飛行した。2号機には客室を備え、世界各地で飛行試験を実施する。
A350-1000は4月末現在、12顧客から計211機の受注を獲得している。ヴァージン アトランティック航空は2016年7月、A350-1000を12機発注したと英国で開催されたファンボロー航空ショーで発表。2019年前半に最初の機体を受領し、長距離国際線の現行機材であるボーイング747-400型機とA340-600を置き換える。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が31機のA350 XWBを2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が就航する予定で、現在保有する777を6年程度で置き換える。
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