日本航空(JAL/JL、9201)は、4月29日と30日に幕張メッセで開かれるイベント「ニコニコ超会議2017」に、ダグラス(現ボーイング)DC-8-32型機の初号機「FUJI号」(元登録番号JA8001)の機首部分を出展している。
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
同機は1960年に導入した日本初のジェット旅客機。巡航速度はプロペラ機と比べて300キロ以上速い876キロ、定員もファーストクラス36席、ツーリストクラス68席の計104席と倍以上に増えた。優雅なフォルムから「空の貴婦人」と呼ばれた。1960年7月29日の命名式で、初号機は「富士(FUJI)」と名付けられた。
日本文化を強くアピールした客室最前部のラウンジも特徴。「空の一流ホテル」を目指し、文化勲章画家の前田青邨氏による装飾画や西陣織のシートカバー、障子、畳風カーペットなどが伝統美を演出している。現在は耐火性の基準が厳しくなり、こうした客室作りは当時ならではだ。
また、ギャレー(厨房設備)には高熱オーブンを備え、できたてのおいしさを目指した機内食が提供された。
JALは第1世代のジェット機DC-8を1987年まで51機運航。機長と副操縦士、航空機関士の3人が運航にあたり、長距離路線では天測航法で進路を決める航空士(ナビゲーター)も乗務していた。また、客室乗務員は着物姿で機内サービスにあたった。
昭和天皇やビートルズが搭乗し、ジャイアントパンダのカンカン・ランランを運ぶなど、昭和の歴史に寄り添った機体だった。
展示している機首部分は約8メートルで、コックピットとラウンジがある。一時は保管が危ぶまれた時期もあったが、社員有志などの呼びかけで存続が決まり、現在は羽田空港の格納庫に置かれている。空港外で開かれる民間のイベントへの出展は初めてで、羽田から大井埠頭(ふとう)までが陸路、車の高さ制限にかかることから習志野までが舟、会場の幕張までは再び陸送した。
JALは2015年のニコニコ超会議に初出展。これまで取り込めていなかった若年層への訴求が狙いの一つで、会場にタラップ車を持ち込んで紙飛行機を飛ばすコーナーなどが好評だった。2回目の昨年はタラップ車を2台に増やしたほか、ネット上では、男性社員「岡本さん」や客室乗務員によるニコニコ動画に投稿したダンス動画が話題を呼んだ。
JALの担当者は、「本物を本気で伝えたい」と、FUJI号の展示を決めたという。FUJI号の機内には入れないが、タラップから中を見ることができる。
30日は午前10時から午後5時(最終入場4時30分)まで。1日券は前売り1500円、当日2000円。
*写真は34枚。
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号を紹介する着物や当時の制服を着用した客室乗務員=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
タラップから見たFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
タラップから見たFUJI号のラウンジ=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
装飾画や西陣織のシートカバー、障子などが日本の伝統美を演出するFUJI号のラウンジ=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
西陣織のシートカバーを用いたFUJI号のラウンジ=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
日本の伝統美を演出するFUJI号のシート=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
日本の伝統美を演出するFUJI号のシート=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
日本の伝統美を演出するFUJI号のシート=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
日本の伝統美を演出するFUJI号のシート=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
日本の伝統美を演出するFUJI号のシート=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号の機長席=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
DC-8のロゴが入った操縦桿。初期のDC-8にしかないものだという=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号の駐機ブレーキハンドル=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット機長席側=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号の副操縦士席=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピットで航空士が使った機体の位置を割り出す天測儀を指し示すFUJI号保存会の中島さん=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピットで航空士が使った機体の位置を割り出す天測儀=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号のコックピット=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号の機首=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号の機首=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場に展示されているJALのFUJI号=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
タラップ車の側面に掲げられたFUJI号の解説=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
FUJI号保存会の中島さん(左)と白井さん。中島さんはDC-8を「意外と人間味がある顔で、前が鼻、サイドにエクボがあるようで、すごく好き」といとおしむ=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
ニコニコ超会議の会場でFUJI号の前に並ぶJAL社員。前列はCA有志によるチアダンスチーム「JAL JETS(ジャルジェッツ)」の3人と、後列両端が機内サービス時の制服、後列左2人目からFUJI号運航当時の3代目制服、4代目制服、今年もダンスを披露する岡本さん、パイロット、客室乗務員=17年4月29日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire
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