LCCの利用者や訪日客の増加でにぎわう関西空港に、旅客機のファーストクラスをイメージした簡易宿泊施設「ファーストキャビン関西空港」がオープンした。空港周辺のホテルは多くが安くて1泊1万円前後で、2万円前後もざら。早朝便に乗る際、短時間宿泊するには割高なホテルが多い。
ファーストキャビンはカプセルホテルをビジネスホテルの設備に近づけ、1泊6000円台から用意。新たな需要掘り起こしを狙う。
ファーストキャビン関西空港は、LCC用の第2ターミナルへ向かうバスターミナルがある「エアロプラザ」の3階奥のエリアに開業。面積は約1500平方メートル(460坪)で、既存店と同じく宿泊施設は男女となり、全153室のうち男性用が94室、女性用が59室とした。
客室は2種類で、部屋やベッドが広めの「ファーストクラス」(広さ4.4平方メートル)と、標準的な「ビジネスクラス」(2.5平方メートル)を用意。客室の壁と天井には木目をあしらい、落ち着きのある雰囲気に仕上げた。
宿泊施設のほか、大浴場やラウンジなどを設置。コンセプトは「和」で、訪日客の利用も想定した内装を施した。チェックインは午後7時で、チェックアウトは午前10時。宿泊料金は税込でファーストが7200円、ビジネスが6200円、2時間から利用できるショートステイはファーストが1時間1000円、ビジネスが同900円となっている。
ファーストキャビンは2009年4月に、1店舗目の大阪・御堂筋難波店がオープン。2012年4月に都内初出店となる3店舗目の羽田ターミナル1店が開業し、関空店は空港では2店舗目として今年3月30日にオープンした。トータルでは10店舗目で、直営で運営する。
関空のある空港島は、強風などの影響で鉄道が運転を見合わせたり、道路が閉鎖されることもあることから、交通が寸断された際の宿泊施設としての役割も期待される。
ファーストキャビンによると、現在の外国人利用者は全体で3割から4割程度。関空店は訪日客に偏らず、関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)の路線を乗り継ぐ客や、関空で働く航空関係者の利用も見込む。また、関空店を起点として、和歌山や神戸など周辺地域を訪れる旅行者も取り込みたいという。
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ファーストキャビン
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